<自転車:ジロ・デ・イタリア>◇第3S◇178キロ◇レッジョ・エミリア~ラパッロ◇9日

 レパード・トレックの26歳のウォウテル・ウェイラント選手(ベルギー)が、ゴール手前20キロ付近の、時速70~80キロの高速で下るボッコ峠のダウンヒルでバランスを崩して落車し、死亡した。事故を目撃したマヌエル・カルドソ(ポルトガル=ラジオシャック)は「ウェイラントは(集団から)遅れ、集団に復帰しようとしていた。ほかに遅れた選手を待った方がいいかと後ろを振り向いた時に、ペダルかハンドルが左側の壁面にぶつかった。恐ろしい光景だった」と、その状況を話した。

 ウェイラント選手は05年にクイックステップとプロ契約。08年のブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージで優勝。昨年のジロ・デ・イタリアでは第3ステージを制し、総合146位で完走。今年からルクセンブルクにできた新チーム、レパード・トレックに移籍した。

 3大グランツールでは95年のツール・ド・フランスでのファビオ・カサルテッリ氏(イタリア)以来、ジロ・デ・イタリアでは86年以来4人目のレースでの事故死となった。

 チームは「ショックと深い悲しみに包まれている。ウェイラント選手の家族と友人に哀悼の意を送る」と声明を発表しているが、レースを走り続けるかどうかはまだ明らかにしていない。また、大会主催者は、第4ステージの音楽やパーティーは止めるとし、「今後のレース参加は選手の判断に委ねる」としている。