<自転車:ツール・ド・フランス>◇第17S◇197キロ◇バニェール・ド・リュション〜ペイラギュード◇19日

 今大会最後の山岳ステージで、ブラッドリー・ウィギンス(32、英国=チームスカイ)は、チームメートのクリス・フルーム(27=英国)に引かれトップから19秒差の3位でゴールし、11日連続でマイヨジョーヌ(総合1位)を守った。総合3位のビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=リクイガス・キャノンデール)は37秒差の7位と遅れ、2分41秒差に後退。英国人初の総合優勝へ大きく前進するとともに、この日2位に入った総合2位のフルームとのワンツーフィニッシュも見えてきた。

 最後の上りを単独でトップを走るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)を追走する7人のグループにいたウィギンスとフルームは、フルームの引きで残り3キロを切ったところでニバリ、ティージェイ・バンガードレン(米国=BMCレーシング)を振り落とし、さらに残り2・5キロではピエール・ローラン(フランス=ヨーロッパカー)、ジェローム・ピノー(フランス=クイックステップ)、ユルヘン・バンデンブロック(ベルギー=オメガファーマ・ロット)を突き放し、そのままの勢いでバルベルデも追撃にかかったが、フルームのスピードにウィギンスがついていけず、ややスローダウン。その後はフルームが後ろを振り返りながら先頭を引いてゴールを目指し、2、3位でフィニッシュした。

 ウィギンスは「クリスが『カモン、カモン』と言いながら勇気付けてくれた。彼は本当に強い。ツール・ド・フランスを勝てる力がある」と話した。

 残りは3ステージ。明日第18ステージと最終日の第20ステージは平たんコースで総合順位の変動は期待できない。最終日前日の第19ステージはウィギンスの得意な個人タイムトライアルとなっており、ここで総合優勝争いが決着するがウィギンスの優位は動かない。

 ウィギンスが総合優勝すれば、五輪のトラック金メダリストでは初。また、第7ステージからマイヨジョーヌを守り続けたのは1981年のベルナール・イノー(フランス)以来となる。