<自転車:ツール・ド・フランス>◇第9ステージ◇13日◇ジェラールメール〜ミュールーズ◇170キロ

 タイムトライアルの世界王者トニ・マルティン(29、ドイツ=オメガファルマ・クイックステップ)が、山岳ステージを独走で制した。総合ではトニー・ガロバン(フランス=ロット・ベリソル)がビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)に1分34秒差をつけてマイヨジョーヌ(総合1位)を奪った。

 序盤で上りのスペシャリストのアレサンドロ・デマルキ(イタリア=キャノンデール)とともに2人で逃げを形成したマルティンは、残り59キロの1級ル・マルクシュタイン峠の上りでアタック。あっという間にデマルキを置き去りにし、そのまま追走集団に3分近い差をつけて逃げ切った。2位には2分45秒遅れでファビアン・カンチェラーラ(スイス=トレックファクトリー)、3位にはグレッグ・バンアーベルマート(ベルギー=BMCレーシング)が入った。

 マルティンは「目的はステージ優勝だった。足の調子が良かったのでチャンスだと思った。上りが始まった時、いけると思いアタックしたが、うまくいった」と話した。この日の夜はサッカーW杯ブラジル大会の決勝が行われたが、この時点でマルティンは「自分が吉兆だ。3-0でドイツがアルゼンチンに勝つ」と予言した。結果は1-0でドイツが勝ち、ドイツの強さを2つの世界的イベントで見せつける1日となった。

 総合争いはニバリ、アルベルト・コンタドール(スペイン=ティンコフ・サクソ)が7分46秒遅れの集団でゴール。2分45秒遅れの追走集団でゴールしたガロバンが首位に躍り出た。あす14日はフランスの革命記念日で、この日にフランス人がマイヨジョーヌを着るのは11年のトマ・ボクレール(フランス=ヨーロッパカー)以来。ガロバンは「大きな誇りだ。少し怖い気もするが、楽しみたい」と話した。

 総合争いではニバリは1分34秒遅れの2位に後退。ティアゴ・マシャド(ポルトガル=ネットアップ・エンデューラ)が2分40秒遅れの3位に浮上した。3分32秒遅れの5位にリッチー・ポート(オーストラリア=オメガファルマ・クイックステップ)、4分遅れの6位にミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド=オメガファルマ・クイックステップ)、4分1秒遅れの7位にアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)、4分8秒遅れの9位にコンタドール。

 新城幸也(ヨーロッパカー)は7分46秒遅れの96位で、総合は55分18秒遅れの111位。