<自転車:ツール・ド・フランス>◇第10ステージ◇14日◇ミュールーズ〜ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ◇161キロ

 ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)が、豪快なアタックで頂上ゴールを制し、マイヨジョーヌ(総合1位)を奪回した。

 1級山岳ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユへの頂上ゴールへ向け、残り3キロで単独で先頭を行くホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)とニバリがいる集団との差は1分15秒差。マイヨジョーヌのトニー・ガロバン(フランス=ロット・ベリソル)がいる集団とは3分以上の差がついていた。そして、残り2・5キロでニバリが一気にアタック。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)、リッチー・ポート(オーストラリア=チームスカイ)が反応したが追いつけなかった。

 集団を抜け出したニバリは、単独2位だったミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド=オメガファルマ・クイックステップ)もあっという間に追い抜き、残り1・2キロで先頭のロドリゲスをとらえた。しばらく併走したが、残り1キロを切ってからニバリが再びアタックしてロドリゲスを置き去り。ゴール前の平均こう配20%の急坂もダンシングで駆け上がり、ゴールに飛び込んだ。

 15秒遅れの2位にはティボー・ピノ(フランス=FDJ.fr)、20秒遅れの3位にはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)が入った。ガロバンは4分46秒遅れの33位でゴールし、総合は3分12秒遅れの5位に転落した。

 前日失ったイエロージャージーを1日で取り戻したニバリは「7つの上りと多くのクラッシュがあり、これまでのグランツアーの中でも一番厳しいステージだった。足の調子は良かった。最後の3キロがきつい坂で、そこが勝負どころだった」と話した。

 総合でニバリは2位ポートに2分23秒差、3位バルベルデに2分47秒差をつけた。

 アルベルト・コンタドール(スペイン=ティンコフ・サクソ)は残り95キロ付近で落車し、右すねを骨折してリタイアした。

 新城幸也(ヨーロッパカー)は16分7秒遅れの69位でゴール。総合は1時間9分51秒遅れの95位。