<自転車:ツール・ド・フランス>◇第13ステージ◇18日◇サンテティンヌ〜シャンルース◇197・5キロ

 マイヨジョーヌ(総合1位)のビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)がアルプス初日の第13ステージを独走で制し、総合優勝へ大きく前進した。

 山頂ゴールへ向かう超級シャムルース峠の上りに入り、残り14キロで単独で逃げていたアレサンドロ・デマルキ(イタリア=キャノンデール)がメーン集団に吸収。ニバリはタネル・カンゲルト(エストニア=アスタナ)に引かれメーン集団の先頭付近に位置した。

 残り12・5キロで総合2位につけているリッチー・ポート(オーストラリア=チームスカイ)が遅れ始めた。ミケル・ニエベ(スペイン=チームスカイ)が戻って引くが結局、そのままちぎれてしまった。

 残り11キロで先頭集団からレオポルド・ケーニヒ(チェコ=ネットアップ・エンデューラ)がアタック。ラファル・マイカ(ポーランド=ティンコフ・サクソ)が追い、2人で抜け出した。さらに残り10キロでメーン集団からアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)がアタック。これにニバリが反応し、ティボー・ピノ(フランス=FDJ.fr)、ローレンス・テンダム(オランダ=ベルキン)とともに追いつき、4人で追走集団を形成した。

 そして残り6・7キロで追走集団にいたニバリが満を持してアタック。あっという間に3人を置き去りにし、残り6・3キロで先頭の2人をとらえた。しばらく3人での協調体制を取っていたが、残り3・3キロでニバリがシッティングのまま加速。2人を突き放し、そのまま独走。両手を大きく広げてゴールに飛び込み、今大会3勝目を挙げるとともに、98年のマルコ・パンターニ以来のイタリア人の総合優勝へ大きく近づいた。

 10秒遅れの2位にマイカ、11秒遅れの3位にケーニッヒが入った。バルベルデは50秒遅れの4位。ポートは8分48秒遅れの27位。

 総合はニバリが2位に浮上したバルベルデに3分37秒差を付けてトップ。3位のロマン・バルデ(フランス=AG2R・ラモンディアル)は4分24秒差。ポートは11分11秒遅れの16位に後退した。また、山岳賞はニバリがトップに立った。

 新城幸也(ヨーロッパカー)は19分35秒遅れの44位で、総合は1時間47分51秒遅れの73位。