<自転車:ツール・ド・フランス>◇第16ステージ◇22日◇カルカッソンヌ〜バニェール・ド・ルション◇237・5キロ

 ピレネー初日の今大会最長ステージをマイケル・ロジャース(オーストラリア=サクソ・ティンコフ)が制し、ツール初勝利を挙げた。ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)はトップから8分32秒遅れの20位でゴールし、マイヨジョーヌ(総合1位)を守った。

 6人の逃げ集団にいたロジャースは下りとなった残り6キロ付近でアタック。バシリ・キリエンカ(ベラルーシ=チームスカイ)ホセ・セルパ(コロンビア=ランプレ・メリダ)トマ・ボクレール(フランス=ヨーロッパカー)を置き去りにし、先にアタックして先頭に立っていたシリル・ゴティエ(フランス=ヨーロッパカー)を残り5キロで一気に抜き去り、先頭に立った。ゴティエが下がって4人が集団となって追うが、平たんとなった残り2キロで8秒差をつけた元タイムトライアルの世界王者ロジャースは、そのまま単独で逃げ続け残り200メートルで勝利を確信。何度もガッツポーズし、最後はお辞儀する余裕を見せてフィニッシュラインに飛び込んだ。

 9秒遅れの2位にボクレール、3位にはキリエンカが入った。

 エースのアルベルト・コンタドール(スペイン)を失ったティンコフ・サクソだが、これで第14ステージのラファル・マイカ(ポーランド=ティンコフ・サクソ)に続きチームは2勝目。ロジャースは「どの選手もツールでステージ優勝することが夢だ。最後の500メートルで感じた喜びは言い表すことができない」と勝利をかみしめた。

 総合では1位ニバリ、2位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)の4分37秒差は変わらなかったが、ロマン・バルデ(フランス=AG2R・ラモンディアル)、ティージェイ・バンガードレン(米国=BMCレーシング)、バウケ・モレマ(オランダ=ベルキン)が遅れ、3位に5分6秒遅れでジェローム・ピノー(フランス=クイックステップ)、4位に6分8秒遅れでジャンクリストフ・ペロー(フランス=AG2R)が浮上した。世界王者のルイ・コスタ(ポルトガル=ランプレ・メリダ)はリタイアした。

 新城幸也(ヨーロッパカー)は16分21秒遅れの53位で、総合は2時間20分40秒遅れの74位。