<自転車:ブエルタ・ア・エスパーニャ>◇第9ステージ◇31日◇カルボネラス・デ・グアダサオン〜アラモン・バルデリナレス◇185キロ

 雨の山岳ステージで、ナイロ・キンタナ(コロンビア=モビスター)がチームメートのアレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)を抜いて総合首位に浮上した。ステージはウィナー・アナコナ(コロンビア=ランプレ・メリダ)が逃げきりVを果たした。

 最後の1級山岳への上りに入り、アナコナ、ハビエル・モレノ(スペイン=モビスター)、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク=トレックファクトリー)の3人となった逃げグループから、まずユンゲルスが脱落。そして残り6・5キロ付でアナコナがアタック。モレノはついて行けず、アナコナがそのまま独走で逃げきり、プロ初勝利を挙げた。

 総合でトップから9秒遅れの4位に浮上した26歳のアナコナは「自分のキャリアの中で最も重要な日だ」と喜んだ。

 最後の上りで3分ほどの遅れとなった総合上位陣がそろうメーン集団では、残り2キロでアルベルト・コンタドール(スペイン=ティンコフ・サクソ)がアタック。バルベルデ、クリストファー・フルーム(英国=チームスカイ)は反応できず、ホアキン・ロドリゲス(スペイン=カチューシャ)とキンタナだけがやや後方を追走。コンタドールはスタンディングで負傷明けとは思えない力強さで山頂を目指したが、寸前でキンタナとロドリゲスに追いつかれ、タイム差をつけることはできずトップから2分16秒差の12位でゴールした。同タイムの13位にロドリゲス、14位にキンタナ。

 前日までトップのバルベルデはトップから2分39秒遅れの16位でゴールし、キンタナにマイヨ・ロホを奪われ、トップから8秒遅れの3位まで後退した。トップから3秒遅れの2位にはコンタドールが浮上した。フルームはトップから2分39秒遅れでバルベルデと同タイムの18位でゴールし、総合は28秒遅れの5位。

 コンタドールは「最高の状態ではないが、いい感じだ。ブエルタは直前で出場を決めたので準備はしていないが、だんだんと強くなっていっているようだ。でも、自分よりもっと準備している選手がいるからね」と話した。

 キンタナは「それほどのことはしていない。ほかの有力選手と同じタイムでゴールしただけだからね。でも、この時点ではそれが基本。自分の目標はこの赤いジャージーをキープすることだ」と話した。

 1日は初の休息日で、2日には個人タイムトライアル(36・7キロ)が行われる。