<フィギュアスケート:4大陸選手権>◇3日目◇11日(日本時間12日)◇米コロラド州コロラドスプリングズ

 世界女王返り咲きはトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)!

 女子ショートプログラム(SP)1位の浅田真央(21=中京大)は、フリーでSPに続く大技に挑んだが再び回転不足になり、124・37点で2位。総合188・62点で2位に終わった。2季ぶりの優勝は逃したが「跳べたのはすごいプラス」と手応えをつかみ、2年ぶりの優勝を目指す世界選手権(6月、フランス)での再挑戦を誓った。SP3位の村上佳菜子(17)は総合169・32点で4位、今井遥(18)は9位。アシュリー・ワグナー(米国)が優勝した。

 回った感触があった。大歓声を浴びながら、思わず浅田が表情を緩めた。左足がついてバランスを崩した前日のトリプルアクセルよりもスムーズに着氷できた。わずかに回転が足りず、2日連続の回転不足となったが、演技後に判定を聞いても好感触が消えることはない。着実な前進に「自分の中で挑戦して跳べたのはすごいプラス。跳べてうれしい」と目を輝かせた。

 ようやく我慢せずに跳べる。演技全体では3回転ルッツの着氷で手をつき、3回転が2回転になるなど「取りこぼしが何カ所かあった」と反省はしたが、演技中はうれしさがにじみ出るように笑顔が映えた。ジャンプ以外の要素を磨くため、昨年11月のNHK杯SPを最後に封印した大技。前日に続き、その感触を楽しんだ。

 ただ成功はお預けとなった。実力で下回るワグナーに負けた。空気抵抗の少なさからジャンプが跳びやすいと感じていた標高約1800メートルの高地から平地に戻ったときの感覚の違いなどにも懸念はある。ただ、この日の感触は揺るがない。昨年の世界選手権では、同大会と五輪を通じてSP自己ワーストの58・66点で7位(総合6位)と低迷した。雪辱を果たすために必要なのは完璧なジャンプ。「目標はショート(プログラム)とフリーでトリプルアクセルを跳ぶこと」。その先に2年ぶりの世界女王の戴冠はある。