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2000年のライスボウル

アサヒビール 33 7-0
14-7
9-7
3-3
17 関 学

アサヒビール、関学大を下し6年ぶり優勝

<アメリカンフットボール:ライスボウル>◇00年1月3日◇東京ドーム

 社会人王者アサヒビールクラブが学生覇者の関学を33―17で下し、6年ぶり3度目の日本一に輝いた。第1Q(クオーター)最初のシリーズで先制のTDを奪って波に乗ると、強力オフェンスラインを武器に着実に得点を重ねて逃げ切った。名QB東海辰弥(35)を擁して2連覇した以降は低迷が続いたが、ベテランと若手の歯車が合ったスター不在の新生シルバースターとして、名門復活を果たした。

 6年ぶりにシルバースターが日本一の輝きを取り戻した。「長かった。やっとたどり着いた」。アサヒビールクラブの阿部監督は1度つばをのみ込み、胸に詰まった思いを吐き出した。1993年(平5)から2連覇したが、名QB東海が引退し低迷が続いた。「周りからは東海さんのチームと見られていた。それを何とかうち破りたかった」。スタメンでは4人しかいない6年前の優勝メンバー、佐々木主将は言った。その東海はスタンドで観戦。昔とは全く違うチームになっていた。

 若さと勢いのある関学を止めるため、序盤に全精力を注いだ。相手の攻撃を無難に抑えて迎えた最初のシリーズ。敵陣6ヤードに迫り、第1ダウンまで残り2ヤードでギャンブルに出た。RB吉岡が5ヤード走って成功。直後に吉岡が1ヤードTDダイブを決めて先制し、完全に流れをつかんだ。パス主体だった昨季までと違い、強力なオフェンスラインをバックにランとパスを織り交ぜながら次々と得点し、粘る相手を突き放した。樋口前オーナーの日本協会コミッショナー就任に、花を添える優勝となった。

 勝てない6年で得た結論は1つ。「スター選手はいらない。長続きしないから」と阿部監督は言った。QB東海、RB野村に頼っていたツケだった。各ポジションをバランス良く強化し、ベテランと若手の区別をなくした。ケガをしても控えの選手がきっちりフォローし、新旧の歯車がかみ合う図式が出来上がっていた。スター不在、世代の壁の打破が名門復活のカギとなった。「新しいチームカラーができた。来年はバージョンアップしたい」と佐々木主将は言った。星の輝きは、一瞬のきらめきではなさそうだ。【飯田玄】



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