マスターズが終わって1週間が過ぎました。今はいったん日本へ戻り、次の戦いに備えています。

 何度も勝っている今季の流れからすれば、マスターズ前の英樹は上り調子ではありませんでした。練習でもいつも以上に自分に厳しくなっていました。その中で勝ちにいくために、やれることは全部やったと思います。直近のベイヒル(アーノルド・パーマー招待)や(デル)マッチプレーの感じでは、第2日に崩れて予選落ちをしてもおかしくなかったですが、しっかり立て直し、最終日に5アンダーを出した。あらためて英樹の底力を感じました。

 マスターズで勝つチャンスは絶対にあると感じています。オーガスタはショットメーカーが有利なコース。ショットに秀でたガルシアとローズが最後まで今年の優勝を争ったことも、それを裏付けています。好調時の英樹なら、狙ったところに打てる技術は世界トップ3に入ります。誰しも、コースによってどうしても距離感が合わなかったり相性はありますが、英樹は間違いなくオーガスタと相性がいい。第2ラウンド18番で見せたアプローチのように、豊富な経験値とそれを生かす技術もあります。

 次のメジャーは6月のUSオープンです。直前のメモリアル(トーナメント)などでいい成績を残せるかが、大事になります。その前に、来週のチューリヒ・クラシック。チーム戦でタッグを組む谷原(秀人)さんは、僕にとって10年前にバッグを担いだボスであり、東北福祉大の先輩でもあります。英樹を含め、2人の性格は僕が一番分かっていますから、しっかりサポートしたいと思います。(2017年4月20日付紙面掲載)