<松山英樹専属キャディー・進藤大典>


 日本に帰ってきました! 英樹が東北福祉大の卒業式のために帰国しているので、僕もこっちでオフをとっています。久々に会う友人と外食に出て、日本ならではの丁寧な接客にうれしくなったりします。この「おもてなし」に通じるものを米ツアーの会場で感じることもあるんです。

 日本でも米国でも、試合会場の練習場には水を入れたバケツが置いてあります。土や芝がついたクラブを僕らが水を使ってキレイにするためです。冬場は水も凍りそうなほど冷たい。指がちぎれそうな思いをします。それがある米ツアー会場では、バケツにお湯が入っていました。それだけで、クラブ磨きがなんと楽になることか! 米ツアーというと賞金総額10億円の大会があることや、派手な演出に目がいきがち。でもそれだけじゃなく、練習場のバケツにまで配慮が行き届いているんです。

 知られざる「おもてなし」は、まだあります。クラブハウスではキャディーにもランドリーサービスが準備されています。食事、靴磨き、マッサージ、トレーニングルームなども完備。送迎の乗用車も、大会期間中は24時間利用可能です。単に賞金が高いから、選手が集まるわけじゃない。「ここで戦いたい」と思うだけのホスピタリティーが米ツアーにはあります。

 「おもてなし」の精神を持つ日本なら負けないサービスはできると思います。僕らが感じ、考えたことを国内ツアーに伝えさせていただくこともできます。世界中の選手や関係者が行きたいと思うような大会が、いつか日本にもできてほしいと思います。(2014年3月19日付紙面掲載)