<松山英樹専属キャディー・進藤大典>

 英樹にとって2年ぶりのマスターズは、予選落ちに終わりました。本人はオーガスタ入りした当初から、ショットの不安を口にしていました。でも優勝した去年のつるやオープンやフジサンケイクラシックでも、今回と同じように強い不安を抱えていました。それでも本番では何とかまとめてきただけに、僕は今回も大丈夫だと思っていました。

 試合では本調子ではないなりに、いいプレーをしていたと思います。第1日の8番パー5でダブルボギーをたたかなければ、スコアの上でも、試合の流れ的にも、予選は通ったはずです。

 グリーン手前からの第3打のアプローチが、10メートルもショートしてしまったことが、4パットにつながりました。今の英樹にとって躍進のカギとなるのがアプローチ。さらなるレベルアップのために、いろいろ取り組んでいる分、大事な場面でまだ100%の自信を持って打てないこともあります。つまりあのダブルボギーは起こるべくして起きたこと。逆に今後、いくらでも改善できることだと思うんです。

 久々の予選落ち。しかもマスターズでのことなので、残念な結果としてクローズアップされました。本人も相当がっかりしていました。でも、ずっと予選落ちをしない選手なんて、どこにもいません。タイガーだって落ちる時は落ちます。

 英樹はいずれ海外メジャーを勝つ男です。そして同じ失敗を繰り返さない男。今回の悔しさも必ず糧に変えて、さらに強くなることでしょう。6月の全米オープンなど、今後の海外メジャーでの戦いぶりをみなさんも楽しみにしていてください。(2014年4月17日付紙面掲載)