<松山英樹専属キャディー:進藤大典>

 先週、上海で行われた世界ゴルフ選手権シリーズのHSBCチャンピオンズでは、英樹は41位でした。ショットが乱れましたが、課題のパットはかなり良くなってきました。来週の国内ツアー、ダンロップ・フェニックスでは、いいゴルフを見せてくれるはずです。

 上海ではうれしいこともありました。東北福祉大時代からの大親友、岩田寛の大活躍です。B・ワトソン、カイマーらメジャー覇者と最後の最後まで互角に戦い、3位に入りました。

 シャイで誤解されることも多いヒロシですが、ああ見えてつらい時、困った時、いつも親身に相談に乗ってくれます。ヒロシも僕にいろいろと相談してくれます。昔から世界進出が目標。だから米ツアーの試合や選手について、熱心に話を聞いてきます。

 上海でもホテルのジムで、米ツアーについて語り合いながら、一緒に汗を流しました。大学で出会ってから15年。今も同じ舞台で、同じ夢を語り合えるのは、すごく幸せだと感じました。しかもヒロシは夢の舞台で優勝争いも見せてくれました。優勝ならすぐ米ツアーのシード権も手に入りましたけど、いずれヤツは手にします。3位を喜ぶどころか、すごく悔しがってる姿を見て、確信しました。

 ヒロシはああ見えて、カラオケにいけばマイクを離しません。本当はおちゃめで、めちゃめちゃ面白いヤツです。英樹もそうですけど、シャイな人間というのは、相手を気遣い、思いやるあまり、自己表現を控えるのだと思います。

 そんなヒロシが、人目もはばからず自己表現するとすれば、きっと米ツアーで優勝した時でしょう。近い将来、英樹とヒロシの優勝争いを米ツアーで見られたら…。その夢を励みに、僕も頑張りたいと思います。(2014年11月12日付紙面掲載)