大卒からプロ５年目の２８歳。高卒即プロ転向が多数派のツアーでは“遅咲き”ながら、川満は今季、大きなチャンスを迎えている。開幕戦ダイキンオーキッドで自己ベストの４位となり、初のトップ１０を決めた。現在の獲得賞金は８０５万８０００円。初の賞金シード奪取へ、走る。

　ツアーの合間、紅茶で一息入れる。自宅には英国製の紅茶専用ポットを３つ持っており、本格的にたしなむが、出先ではそうもいかない。そこでオレンジペコ、ダージリンなど数種類のティーバッグを持ち歩き、ホテルで毎朝、毎夕に１杯ずつ。頭がすっきり、リセットされる。

　「小学校の時から好きなんです。濃い味とか、香りとかいろいろ楽しめて安らぐんですよ」。南国・宮古島出身だが、実家で冷たいものを飲む習慣がなかった。食事の際も常温か、温かいお茶。育った環境と紅茶好きは無縁ではない。

　かつてスリランカ開催のアジアンツアー出場を考えたが、治安の関係で断念した。ひそかな目標は、７月３０日開幕のメジャー・全英リコー女子オープン出場だ。「いや～本場ですからね。専門店でいろいろ買ってみたいですし」。趣味と実益を兼ねた夢を語る顔に、笑みがあふれた。【加藤裕一】

　◆川満陽香理（かわみつ・ひかり）１９８７年（昭６２）５月３日、沖縄県宮古島市生まれ。ゴルフは１１歳から。立命大２年の０７年に日本女子学生優勝。１１年１月にＴＰＤ登録でプロ転向、同年のプロテスト合格、下部ツアー・ＡＮＡプリンセス杯優勝。昨年賞金ランク８７位、最終ＱＴ１６位。１６３センチ、５５キロ。