今年も女子ツアーは盛況やった。3月3日スタートの開幕戦ダイキンオーキッドレディースから、11月27日終了の最終戦LPGAツアー選手権リコーカップまで計38試合。空き週は、6月アース・モンダミンカップと7月ニッポンハムレディースの間の1週だけやから、リオデジャネイロ五輪中も休まず“満員御礼”状態やった。

 7月下旬のダンロップ・スリクソン福島オープン後、4週間も夏休みがあった男子とえらい違いや。男はもっと頑張らんかい。

  ◇   ◇

 そんなウハウハムードに冷や水をぶっかける、えらい事実(ちょっと大げさやが)に気づいた。

  ◇   ◇

 賞金ランク3位笠りつ子、5位鈴木愛、10位菊地絵理香。今季同ランクトップ10に入った日本選手です。3人。たったの3人。全美貞が女王になった12年に3位有村智恵、5位佐伯三貴、7位森田理香子、10位服部真夕いう4人のケースがあったけど、それを更新して“賞金ランク10位内の日本選手最少人数”になってもた。不動ちゃんが5年連続女王でトップ10全員が日本勢やった04年がウソみたいや。

  ◇   ◇

 こないだの4ツアー対抗戦ザ・クイーンズは、象徴的やった。4日の最終日、韓国と優勝決定戦になった日本は、シングルス・マッチプレー8試合で1分け7敗と惨敗した。相手チームに米ツアーの田仁智、朴仁妃、日本ツアーのボミちゃん、キム・ハヌル、全美貞、李知姫、アン・ソンジュはおらんかった。韓国チーム9人(リザーブ1人含む)中、日本で知られてるんは主将の申ジエだけ。残る8人は純然たる韓国ツアーメンバーで、今季同ツアー賞金ランク10位内の選手ばかりやった。

 誤解を恐れず言わせてもらえば“日本の精鋭”が“韓国の2番手”に、コテンパンにやられたっちゅうことです。

  ◇   ◇

 笠りっちゃんは、頑張った。「やっぱり日本勢が負けるのは悔しい」「1番になる」と公言して、自己最高の賞金ランク3位。過去最高が11年の10位やから、大躍進ですわ。

 来年は?

 「30歳だし。私が背負ってというか、やらなきゃという気持ちで、ガンと悔いないように行きます。オフは…も~う特訓ですよ、特訓!」

 特訓て何するの?

 「う~ん…走り込んで体力つけて、ショットもアプローチも…いろいろですよ、いろいろ!」

 鈴木愛ちゃんも、頑張った。「まずは日本勢で1番に」とシーズン終盤はりっちゃんを思い切り意識して、賞金ランク5位。日本女子プロに優勝して、国内メジャーの日本勢連敗を7で止めた。お手柄やった。

  ◇   ◇

 ボミちゃんら韓国勢にテレサ・ルーを含めた海外勢に、どうやったら勝てるんか? 練習しかないでしょ? うまい選手に勝とう思たら、その選手以上に練習するしかないでしょ?

 例えば、鈴木愛ちゃんには決め事がある。「1番最後にコースから帰る」-。だらだらでもええから、最後までドライビングレンジにおる選手に、練習グリーンにおる選手になってみる。「疲れが…」とか「コンディションが…」とか言う前にやってみる。テレサ(彼女はきっと練習嫌いの天才肌)はさておき、海外勢はホールアウト後、遅くまで練習しとる。彼女らより早く帰ってて、勝てるわけないんやから。【加藤裕一】