あなたの街のプロゴルファー、タケ小山(52)がお届けする毎週火曜日の「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」の第5回は「ラインは自分で作るもの」です。一体、どういうこと !?


ラインの作り方


 前回、ラインの読み方についてレッスンしましたが、実は、ラインというのは1つじゃないんです。あなたとカップの間には無数のラインが存在するんです。覚えておいてください。

 どういうことかって? だって同じ場所からパットを打ったって、みんなが同じタッチで打つわけじゃないでしょう? 当然、ラインは違ってきます、そういうことです。同じ場所から打つのでも球足が弱ければ大きなカーブを描くラインになるし、球足が強ければよりストレートなラインになる。

 直径4・25インチ(約10・8センチ)と決まっているカップのサイズですが、その入り口は1つじゃないんです。写真を見てください。球足の弱いボールで大きなカーブを作れば、入り口はカップの周り270度あるわけです。米ツアーの解説などを聞いていると「Coming to back door」(後ろのドアから入った)なんて言ってますけど、まさにその通り。ジャストタッチで打ったボールが、カップの斜め後ろ側から入ることってありますよね。あれです。

 一方、強い球足でよりストレートなラインで打った場合、ボールの入り口は180度しかない。どうしてか分かりますね。強い球足で、よりストレートなラインで打っているから、カップの向こう側に入り口はないわけです。私たちプロは「薄く打つ」とか「浅めに打つ」となんて言い方をします。

▼▼2つのラインを比較すると▼▼
▼▼2つのラインを比較すると▼▼
 
 
 
 
 
 

 プロの試合は硬くて速いグリーンで行われることが多い。特に米ツアーではそうですね。そうなればなるほど、入り口は多くなる。「ガラスのグリーン」といわれるマスターズのオーガスタ・ナショナルGCなどは特にそうですね。トッププレーヤーたちがどんなラインを作っているか、見るのも楽しく、参考になるものです。

 キャディーさんに「どれくらい切れる?」と聞いている人がいますね。でも、ここまで読んだあなたなら、ちょっとおかしいと思うはずです。だって、どんなタッチで打つかによってラインは違うのですから。先週やったラインの読み方を会得して、自分のタッチを考えてカップの入り口を探す。これがラインを作るということなんです。


今週の処方箋

「自分の道は自分で決めろ」

 【服用法】地形を常に頭に入れてラインを読み、無数にあるラインの中から自分のタッチに合ったものを見つける。こうしてパットはうまくなる。


 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

撮影 山崎安昭

協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)