あけましておめでとうございま~す! 今年もよろしくお願い致します。今年も元気いっぱいなタケ小山(53)です。みなさん、もう仕事も始まり、日常が戻ってきた頃でしょうか。日刊スポーツでゴルフ力をアップさせる火曜の朝のルーティンも戻ってまいりました。タケ小山のゴルフ即効薬、戌(いぬ)年最初のテーマは「朝イチに曲げてもノープロブレム!?」です。気持ちが少し楽になったところで、さあ、行ってみよ~!

その日の球筋がフックなのかスライスなのか、体調や気温などのコンディションで変わってくる
その日の球筋がフックなのかスライスなのか、体調や気温などのコンディションで変わってくる

 「フォア~ッ!」

 朝一番に同伴競技者やキャディーさんと一緒にこう叫ぶのは、できれば避けたいですよね。ちなみに、日本では「ファ~ッ!」という人が多いようですが、本当は英語の“Fore!”。「前方の」というような意味で、前方に注意を促すものです。右に曲がったら“Fore!Right!”左なら“Fore!Left!”なんて具合に使います。

 でもね、朝イチのティーショットを大きく曲げてしまったからといって、そんなに落ち込むことはありません。これを含めた出だし3ホールは、その日のプレーのバロメーター。どっちにどれだけ曲がるのか、その日の調子を見る機会、情報収集の場だと思えばいいのです。


 右に曲がるのか、左に曲がるのか。曲がり幅はいつもと同じなのか、それ以上なのか。体調や気温などさまざまな条件によって、違う曲がり方をしっかりと把握しましょう。その上で、アライメントやクラブ選択でそれなりに対処して、自分のゲームを作っていけばいいのです。それがゴルフ。それがマネジメントです。プロだって、そんな風に考えながらプレーしています。

 ただし、ガチガチに緊張して曲げてしまったとなると話は別です。だって、原因は緊張にあるわけですから、その日1日、同じだとは限らない。それでは情報として使えませんからね。緊張しても、できる限り自分のショットをすることを心がけてください。そのためにはしっかり、前日に準備をしたり、ストレッチや練習をしてティーグランドに向かうこと。それで気持ちよくクラブが振れれば、その日の調子がしっかり分かります。

 それにね、どうせ曲がるなら、ラウンドの早いうちのほうがいい、ということもあります。たとえダブルボギーをたたいたとしても、その後、落ち着いたプレーを続ければ、意外にいいスコアになったりするものです。そう。ラウンド最初のうちの大たたきは取り戻せるものなんです。逆に、ラウンド終盤に大きなミスをすると、もう取り戻せません。16ホール目でミスして、残り2ホールで取り戻そうなどとすると、かえって泥沼になってしまうのは、よくご存じでしょう? だから、朝イチの曲がりはノープロブレムというわけです。


今週の処方箋

痛い目にあうなら早いほうがいい

【服用法】序盤のミスは、その日のバロメーターと心得て動じるべからず。そこからがゴルフだ!!


 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。


◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

◆撮影 山崎安昭