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 石川遼(17=パナソニック)が挑むマスターズ開幕(4月9日、オーガスタナショナルGC)まで約1カ月に迫った。日刊スポーツでは4日から、各界著名人が石川へ激励、期待、アドバイスなど熱いエールを送る「遼くんへの伝言」。

第4回 海外で必要な「プラス思考」/伊藤みどりさん

伊藤みどりさん 遼くんが世界で戦うためには、「これだ」という武器を持つことが大事だと思います。私の場合はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)でした。当時、女子では誰も成功したことのない技でした。15歳の時に練習で成功したのですが、すぐに右足首を骨折してしまい、それからしばらくは挑戦しませんでした。でも18歳で出場した88年カルガリー五輪で5位に入り、さらに上を目指すには武器が必要だと思い、再びトリプルアクセルの練習を始めました。それが92年アルベールビル五輪での銀メダルにつながったと思います。

 17歳の遼くんも今が一番伸び盛りだと思います。10代後半はちょうど筋力が備わり、メンタル面でも成長する時期です。失敗を重ねながら武器を見つけてほしいですね。フィギュアスケートは20代後半で「おばさん」のような感じでしたが、ゴルフは今も青木功さんがシニアで活躍しているように息の長いスポーツです。今季、フィギュアスケート男子で急成長した小塚崇彦くん(20)のように、男子の場合はメンタル面と肉体面が一致した時、著しい成長をするように思います。失敗しても焦らなくて大丈夫です。きっとタイガー・ウッズ選手だって苦労や努力をしているはず。

 欧米の選手に比べて日本人は体格面でハンディがあります。最初は私も145センチという低い身長がコンプレックスでした。ジャッジの印象もよくなかったと思います。でも、それは自分ではどうすることもできない。そのハンディをプラスに変えて、ダイナミックなジャンプを見せようと考えるようになりました。小さいとジャンプの高さ、飛距離がより出ているように見えますからね。だから海外で戦うには「プラス思考」がとても大切なんです。

 私も17歳の時には日本代表でした。でも特別な「重圧」は感じていませんでした。コーチの山田満知子先生は、練習してきたことや、自分の持ち味が出せば、順位は1位でも10位でも構わないという考えの方でした。だから私も目の前の大会を一生懸命にやっていただけです。もし先生が最初から「目標は世界」と言う人だったら、続いていなかったと思います。人によって目標の立て方は違いますが、1つ1つの大会に全力で臨み、周囲からのアドバイスを積み重ねることで、好不調の波は少なくなっていくように思います。

 私が現役時代にいつも心の中で唱えていた言葉があります。「あきらめない」です。遼くんは確かに才能にあふれていますが、マスターズも五輪も国を代表するような天才ばかりが集まるところです。結果を出すには本当に大変です。高校、大学時代には「みんな遊んでいるのにな」と考えたりもしましたが、1つのことを必死に続けているからこそ、結果が出るし、みんなが応援してくれるんです。そして、その応援が励みになるはずです。

◆復帰 「プリンスアイスワールド2009」(5月2~6日、新横浜スケートセンター)で、伊藤みどりさんが7年ぶりにアイスショーに出演する。ほか06年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんらが出演。

◆伊藤みどり 1969年(昭44)8月13日、愛知県生まれ。4歳からスケート、6歳から本格的にフィギュアスケートを始める。全日本選手権は11歳の80年度大会で3位となり、15歳の84年度大会から91年度大会まで8連覇、95年度大会も制し、計9度の優勝は女子では史上最多。88年カルガリー五輪5位。89年世界選手権でアジア人として初優勝。92年アルベールビル五輪銀メダル。145センチ。








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