【オーガスタ(米ジョージア州)1日(日本時間2日)=木村有三】9日開幕のマスターズに初出場する石川遼(17=パナソニック)が、「世界選抜候補」に挙がっていることが、分かった。10月の米国―世界選抜(欧州以外)対抗戦プレジデンツ杯のグッレグ・ノーマン世界選抜主将(54=オーストラリア)が、候補の1人として指名。マスターズ練習ラウンドで同組で回り「品定め」する考えも示した。石川は2日続けてオーガスタ・ナショナルGCを回り難解グリーンを警戒した。

 マスターズを翌週に控えた17歳に、うれしいニュースが飛び込んできた。10月に行われる世界的ビッグイベント、米国代表VS世界選抜(欧州以外)対抗戦プレジデンツ杯の「世界選抜候補」に、石川も入っていることが判明した。

 この日、世界選抜主将のノーマンが、米国代表主将のカプルスとともに米ツアーのヒューストンオープン会場で会見。ノーマンは、世界選抜のメンバー候補について、2月の欧州ツアー・ジョニーウォーカークラシックを「18歳213日」の同ツアー史上最年少で制したダニー・リー(ニュージーランド)とともに、石川の名前を挙げた。

 「プレジデンツ杯の将来を考えたとき、ダニー・リーや石川のような若い選手が出場することは大事なことだ」。元世界ランク1位の英雄のもとにも、石川の名と実績、将来性は伝わっていたのだ。

 プレジデンツ杯は、各チーム12人ずつで争う団体戦だ。世界選抜メンバーは、8月全米プロ終了時の選抜ランク上位10人(米国と欧州選手除く世界ランク順)と、主将推薦の2人で編成される。現在世界ランク71位の石川は選抜ランク30位で、リーは51位。仮に同ランクで届かなくても、ノーマンは主将推薦枠での起用を視野に入れている。

 日本選手で過去にプレジデンツ杯に出場したのは、渡辺司、尾崎将司、尾崎直道、丸山茂樹の4人だけ。丸山は98年大会ではMVPとなる働きで優勝に貢献、その名を世界中に広め、その後の米ツアーでの成功につなげた。世界選抜チームはそれ以来優勝がなく、ノーマンとしては勢いのある新戦力が欲しいところなのだろう。石川が選ばれれば、00年丸山以来9年ぶりの日本選手出場になる。

 ノーマンは「オーガスタの月曜日(6日)の練習ラウンドで彼らと回って、ゴルフの考え方を聞いてみたい」と、マスターズの練習日に直接実力を見定める考えも示した。実は昨年全英オープンの練習日にも、今田竜二と同組で回り「米国チームを倒すため、君を呼んだら出てくれるか?」と打診している。

 石川にとっても、百戦錬磨のノーマンとの練習ラウンドが実現すれば、貴重な経験になるはずだ。ノーマンのオーガスタ入りが、待ち遠しくなってきた。