石川遼(17=パナソニック)が、人生初のホールインワンで、初の日本タイトル獲得にはずみをつけた。今季国内メジャー第2戦・日本プロ選手権は11日、北海道・恵庭CC(7134ヤード、パー70)で開幕する。前日10日の練習ラウンドで、石川は203ヤードの17番パー3で見事なホールインワンを達成。尾崎将司(62)直伝の重さ約1キロの「重量級アイアン」で磨いてきたショットが、大舞台を前に成果を見せた。

 人生初の快挙の瞬間、石川は真っ先に苦笑いを浮かべた。「『入ってしまった!』という感じ。試合で出てほしかったな~」。感激よりも悔しさが先に立ったという。その後、観衆から拍手がわき起こると、両手を広げ、天を見上げて、ようやく感激に浸った。

 「入らなかったとしても満足」という会心のショットだった。203ヤードの17番パー3。左から5メートルほどのフォローの風を感じ、5番アイアンを握った。ピン左4メートル方向に打ち出すと、風の読み通り右に戻された球は左手前のエッジに落下。そのまま緩いスライスラインを転がって、6メートル先のカップに沈んだ。

 本人は「運99・99%、0・01%が自分の仕事」と謙遜(けんそん)した。だが、ショットの精度には手応えを感じていた。5月の三菱ダイヤモンド杯から、練習で通常(350グラム)の3倍近い重さの980グラムの特注アイアンを振っている。「野球選手もマスコットバットを使うだろ。あれと同じ」と尾崎将に勧められた。その後、尾崎将の700グラムより重い約980グラムのアイアンをヨネックスに発注した。

 重いクラブでの練習で、腕だけでなく体全体で振る感覚が身に着いた。さらに体幹の強化にもなっている。今春の米ツアー遠征で、フィル・ミケルソンの体全体を使ったスイングに魅了された。「体を回すだけでそこにたまたまクラブがついているようだった」。ジャンボ直伝アイアンは、その理想のスイングを実践するためのでもあった。

 「(ホールインワンは)一生しない男だと思っていた」という。テレビモニターでホールインワンのスイングを確認すると、「あんな入り方したの!

 いや~、幸せだな」。初の日本タイトル獲得に向けて「初日のスタートホールからエンジン全開で行く」と石川の言葉に力がこもった。【阿部健吾】