【ターンベリー(英国)10日=木村有三】16日開幕の全英オープンに初出場する石川遼(17=パナソニック)が、今大会限定で開催コース・ターンベリーの男性ハウスキャディーを起用することが、決まった。キャディー歴24年の英国人リー・マッカランさん(38)で、9日と10日の練習ラウンドで“テスト起用”。エースキャディーの加藤大幸氏(26)も帯同しているが、コース攻略法も熟知しているマッカランさんに、本番でもバッグを託す。

 手ごわいリンクス(海沿いコース)攻略へ、石川が「強力助っ人」の起用を決めた。9日に続いてこの日も練習ラウンドでバッグを担いだハウスキャディーのマッカランさんを、本番でもパートナーに決めた。

 2日目のこの日は、14歳からターンベリーでキャディーを務めるマッカランさんの丁寧な助言で、6番からの4連続を含む7個のバーディーを量産。「素晴らしいキャディー。1ホール、1ホールアドバイスしてくれて、すごくやりやすかった」と、石川もマッカランさんに大きな信頼を寄せている。

 樹木が少ない英国のリンクスコースは、ティーグラウンドからフェアウエーが見えないブラインドホールも多く、第1打の目標が取りづらい。フェアウエーの傾斜も把握していないと、思わぬバウンドでアゴの深いポットバンカーにつかまる危険もある。そんな難しさはターンベリーも同じ。だからこそコースを熟知していて、狙い所を的確に指示してくれるキャディーは大きな力になる。日本でバッグを担いでいる加藤氏も英国に帯同しているが、より良い結果を求めるための限定チェンジで「勝負」に出る。

 マッカランさんも、やる気満々だ。この日のラウンド後に石川サイドから、正式にキャディー要請されると「リョウは積極的なゴルフをするし、プレッシャーも受けてない。ドライバーが安定すれば、間違いなく予選通過できる」と断言。練習ではガルシアやデービス・ラブ、モンゴメリーのキャディーを務めたことがあり、試合でも03年全英シニアオープンでは、ワイブリングのバッグを担ぎ当時のコースレコード63を導き出した。全英オープンは初めてになるが、日本から来た17歳の上位進出を全力でサポートするつもりだ。

 「日本で優勝してきたし、出場する選手の中で僕が1番絶好調だと思う」と、石川も絶好調宣言。調子の良さに、強力キャディーの助言が加われば、底知れぬパワーを発揮しそうだ。