石川遼(18=パナソニック)が「ヘリコプターショット」の習得に乗り出した。三井住友VISA太平洋マスターズは12日、静岡・太平洋C御殿場Cで開幕する。10日の練習ラウンドでは、ピンまで10ヤード以内から6メートルほどの高さに上げるロブショットの練習を徹底。前週のHSBC選手権(上海)で、ほぼ真上に上がるショットでピンそばにピタリと寄せる世界のトップ選手の技術に刺激を受けた。残り4試合に史上最年少賞金王をかけるが、将来を見据えて緊急導入を決意した。

 球はヘリコプターのように真上に舞い上がった。アウト1番からの練習ラウンド。石川はピンまで10ヤード以内のグリーン周りから6メートルほど上がるロブショットを繰り返した。15番まではパターも握らず、ひたすら「ヘリコプターショット」を磨いた。

 世界のトップに刺激を受けた。前週の世界選手権シリーズ・HSBC選手権で、予選同組だったキム、グーセンはピンまで10ヤード以内で高いロブショットを多用。「予想の2倍以上の高さ(約6メートル)で真上に上げて止める。びっくりした」。必要性を痛感し、同選手権の朝の練習から毎日30分、練習に取り組んでいた。

 難度は高い。沼沢聖一プロは「フェースを開いて、思い切りヘッドをすべらさなければならない。ミスをすればショート、オーバーにつながる」と解説する。今季は残り4戦。賞金ランクも首位池田に約60万円差の2位と賞金王争いのまっただ中でリスクはあるが、石川は「勇気はいる。でもチャレンジしないと。(使えれば)思い切ってピンを攻めていける」と将来を見据え、即導入を決めた。

 ルールを統括する英国のロイヤル・アンド・エンシェント・クラブ(R&A)は、来季からクラブのフェースにある溝の体積や溝の縁の鋭さを制限することを決めている。ラフからのショットはスピンがかかりづらくなるだけに、「ヘリコプターショット」の習得は来季に向けてもプラスになる。この日までの徹底練習で、すでに手ごたえもつかみつつある。「火曜日としては、今季一番、体が動いた。海外帰りの不安もまったくない」。アマ時代から3度目の出場となる大好きなコースでの今季5勝目に自信を深めていた。【田口潤】