<男子ゴルフ:ダンロップフェニックス>◇2日目◇20日◇宮崎・フェニックスCC(7010ヤード、パー71)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 石川遼(18=パナソニック)が、米ツアー公式ホームページ上の「今季10大ニュース」で7位にランクインした。「18歳の石川遼と20歳のロリー・マキロイの活躍」と題された異例の取り上げ方に「すごいな!」と気分は急上昇。31位から出たこの日は70と伸び悩み、通算1アンダー141で20位にとどまったが、テンションを上げて決勝ラウンドに臨む。

 ラウンドを終え会場を去る石川のテンションが、一気に高まった。報道陣から米ツアーの10大ニュースにランクインしたと聞くと「お~、すごいな!

 (米ツアーに対し)『あるたす(ありがとうございます)!』と書いておいてくれませんか」。まさかの7位に、驚きが一瞬にして興奮に変わった。

 シーズンを終えた米ツアー。今季を振り返る記事で、1位の「ウッズのBMW選手権優勝」の下に「RYO」の名前があった。今季の米ツアーでは全米プロの56位が最高位。好成績もない日本の若者が取り上げられるのは極めて異例だ。記事中では「10月プレジデンツ杯で世界選抜として最多の3勝を挙げる活躍。20歳のマキロイとともに将来に期待を抱かせる」と紹介されている。

 この日は、林からのナイスパーなどで粘ったが「今日はダメだったな」と落ち込んでいただけに、その高評価が余計にうれしかった。12番パー4では、第1打が木の裏に止まる不運でダブルボギーとしたが、同じく第1打を木の根に挟まれたくぼみに入れた15番パー4では、見事に挽回(ばんかい)した。「1日2回は珍しいけど、神様が与えた試練。乗り切れば優勝争いに絡める」とアプローチウエッジのヘッド1つ分しか入らない空間に、正確にクラブを打ち込み脱出に成功。8メートルを沈めパーに収めた。

 賞金王争いには1日も無駄にできない。この日は思うようにスコアを伸ばせず不満が残ったが、首位とはまだ6打差。ラウンド後のクラブハウスでは、テレビ解説に来ていた青木功から「まだしっぽを捕まえられる。追いかけろ」と激励された。「期待はある。明日5アンダーまでいけばチャンスはある」。最高峰舞台からの高評価も追い風に、一路まい進するしかない。【阿部健吾】