世界がRyoを中心に回りだす-。米ツアーのティム・フィンチェム会長が日本ゴルフツアー機構(JGTO)に、日本での大会開催を要請していることが6日、分かった。米国内の景気低迷の影響を懸念する米ツアーが、石川人気に沸く日本のマーケットに目を付けた。JGTOの小泉直会長も歓迎し、2年後の11年に日米共催のツアー実現を目指す意向を示した。来年には日本とアジアの団体戦のダイナスティ杯などの国際大会の復活も決定。驚異の18歳が世界の主役になる。

 石川の躍進が、世界最高の米ツアーを動かした。11月中旬に来日した米ツアーのフィンチェム会長が、JGTOの小泉会長との会談で、日本での米ツアー開催と石川の米ツアー参戦を要請していた。小泉会長はオファーを受けたことを明かした上で「2年後に実現したい」と11年開催の方針を示唆した。日本の米ツアーで石川とウッズの夢対決が現実味を帯びてきた。

 石川は今年2月のノーザントラストオープンで17歳で米ツアーデビュー。3月のトランジションズ選手権で予選突破を果たした。その後もマスターズなどメジャー3大会に出場。8月の全米プロでも予選を突破した。米ツアー側はその実力と話題性に当時から注目していた。一方、来季も37試合を開催予定だが、米国の景気低迷は深刻で、スポンサーの撤退も少なくない。石川にウッズやミケルソンらスター選手の後継者としての期待もあった。

 JGTOとしては11月に日本で開催される女子の日米両ツアーを兼ねるミズノクラシックをモデルにして、男子の米ツアー国内開催を目指していく。

 すでにアジアでも石川を軸にした新たな動きが出ている。05年大会を最後に休止されていた日本とアジアの団体戦、ダイナスティ杯が、来年3月に中国・海南島で開催されることが内定した。さらに04年大会で休止されていた日韓対抗戦も6年ぶりに復活し、来秋開催されることが確実になっている。

 今年の年間ギャラリー数は約59万人で石川がプロ転向した昨年をさらに7万人も上回った。この日も会場には昨年より約1000人増の1万5597人のギャラリーが詰め掛けた。赤キャップに赤パンツと石川の勝負服に身を包んだ子供や、お年寄りも増えた。JGTOの小泉会長は「石川君は今まで興味のなかった人たちに、ゴルフを広めた。そして国内だけでなく、海外での日本ゴルフ界の地位向上にも貢献してくれた」と感謝していた。