【オーランド(米フロリダ州)24日=阿部健吾】石川遼(18=パナソニック)が「理論派プロ」を目指す。25日開幕のアーノルド・パーマー招待(ベイヒル・クラブ)の大会ホスト、アーノルド・パーマー(80=米国)が公式会見で「ゴルフも含め、自分の可能な限り多くのことを学べ」と石川に助言。それを受け、石川は「理数系の勉強をしたい」と宣言した。今後、ゴルフに関連する物理学、数学を積極的に学んでいくつもりだ。

 ゴルフをもっと科学的にとらえたい。「政治や経営学などに関心がある」と話していた石川が、物理や数学へも興味を示した。「ボールの初速とか、慣性モーメントとか、物理的なところでゴルフに通じるような勉強をすれば、視野も広がっていくと思う。苦手な分野なんですけど」と決意を明かした。

 公式会見でパーマーから「ゴルフも含めて自分の可能な限り多くのことを学んで欲しい」と助言された。パーマーは、今大会に出場している22歳の孫サム・サンダース(米国)を引き合いに出し、「孫と同じアドバイスだよ。今後彼が成し遂げていくことすべてを見守り続けるよ」とエールも送った。それらの言葉を伝え聞いて、石川の勉強意欲はより高まったようだ。

 「飛ばしたい」。その思いから、これまでもクラブ開発の技術者と会話は交わしてきた。「だいぶ最近、感覚的に分かってきたところはあるけど、原理としては理解してない」と正直だ。肉体を鍛えスイングを強化するだけでなく、球への力の加え方など、理論を持った飛ばし屋が目標。「1つの方向からしか見えなかったことが、2つの方向から見えればだいぶ違う」という。

 プロアマ戦不出場のため、この日は練習場で約350球打ち込み、最終調整を終えた。前週不調だったアイアンだけで300球以上練習し、「体にたたき込んだ」と納得顔。マスターズへの弾みをつけたい一戦に「今年も招待してもらって光栄。パーマーさんに感謝の気持ちをプレーで伝えていきたい」と誓っていた。