<男子ゴルフ:パナソニックオープン>◇初日◇22日◇滋賀・琵琶湖CC(7005ヤード、パー71)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 石川遼(20=パナソニック)が20歳初ラウンドを“オトナのパープレー”にまとめた。後半8番パー4で第1、2打を深いラフに打ち込み「ゴルフをしていて初めて」という不運連発に見舞われたが、ナイスボギー。2バーディー、2ボギーの71で首位と7打差33位の初日にも納得顔で、巻き返しを誓った。

 強い星の下に生まれたスーパースターが驚いた。「う~ん…ゴルフやってて、こんなの初めてかもしれませんねえ」。石川が苦笑いで振り返る“2打連続バッドラック”は、後半8番パー4で起こった。

 第1打のドライバーショットは会心だった。ところが、フェアウエーを30センチ外れただけで、この日一番の深いラフに捕まった。

 第2打はアプローチウエッジで残り100ヤード。ヘッドが芝に負け、グリーン手前左バンカー寸前の猛ラフ下の地面に突き刺さった。無罰で救済を受けて、ドロップしたが、ボールはまたもズボッと深いラフの底へ…。「もう『あれ?』って感じ。普通、バンカーに落ちますよ。ボールの僕の顔のイラストだけ見えているような状態で、埋まってるんですから」。

 極端な左足下がりの斜面から、ピンまで約20ヤードの第3打は球が上がらず、バンカーへ。第4打もピン2・5メートルと寄せきれず、打った瞬間「あー、もうっ!」と声を荒らげた。イライラは爆発寸前だった。

 しかしボギーパットは沈めた。「ボギーとダブルボギーの違いを、改めて痛感しましたね。すっきりしたボギーでした」。最長パー4の4番(490ヤード)でも、9メートルのパーパットを決めていた。20歳初のツアー競技ラウンドは、しのいだパープレー。「メンタルは試合を通して培われていくもの。こういうことを自分もできるんだな、と思えた」。残り3日で首位と7打差。さあ、今日からV争いだ。【加藤裕一】