<男子ゴルフ:日本オープン>◇3日目◇15日◇千葉・鷹之台CC(7061ヤード、パー71)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 石川遼(20=パナソニック)が1バーディー、5ボギーの75と崩れ、通算6オーバー219の27位に後退した。重点的に練習しているドライバーは好調で、強風の中でも狭いフェアウエーをとらえ続けた。だがアプローチやパットの精度を著しく欠き、グリーン周辺で打数がかさんでしまった。優勝は難しくなったが、賞金王レースや来季マスターズ出場権確保のために、最終日に1つでも順位を上げる。

 やるせない思いが口をついて出た。17番パー4。石川は5メートルのバーディーパットを外すと、思わず「これで入らないんじゃ、もうムリだよ」とつぶやいた。「思った通りに打てたけど、ラインの読みが違った。何でかなと。昨日までなら入っていたパットだったと思う」。いら立ちをあらわにするでもなく、力なく首をかしげて、ため息をついた。

 秒速15メートルに達する強風の中でも、ドライバー使用12ホール中6ホールで狭いフェアウエーをとらえた。パーオン率61・11%は全選手中8位の好成績。一時期のティーショットスランプから、完全に抜け出した。だが3、4番でアプローチのミスから連続ボギー。「タッチの問題か、ラインの問題か、整理がつかなかった」と34パットも要し、ショットとグリーン周りのプレーがかみ合わなかった。

 パットとドライバーが交互に不振に陥り、優勝から遠ざかる今季を象徴するような一日。だが肩を落としている暇はない。賞金ランク首位を走る■相文が3位に浮上している。独走を許さないためにも、最終日に1つでも順位を上げなければならない。

 人生の目標である「20歳のマスターズ優勝」に向けても最終日は大事になる。「世界ランクを上げる上でも、ポイントの高い今大会は大事」と話すように、出場権を獲得できる世界ランク50位以内の確保を考えれば、たとえ優勝を逃しても好順位フィニッシュは、無駄にはならない。「最後まで攻めるだけです」と石川。ラウンド後の練習では、感触のよくなかったパターにあえて触れず、ドライバーの好感触だけを確認して会場を後にした。【塩畑大輔】※■は裏の里が非