石川遼(20=パナソニック)が同学年のライバルを刺激に、ミラクル逆転賞金王を狙う。カシオワールドオープン(24日開幕、高知・Kochi黒潮CC)の組み合わせが22日、発表され、史上3人目のアマチュア優勝した松山英樹(19=東北福祉大2年)と同組になった。この日、プレジデンツ杯(オーストラリア)から帰国した石川は昨年10月日本オープン以来の直接対決を歓迎した。

 胸が高鳴る。プレジデンツ杯から帰国すると、同学年のライバルとの直接対決を知った。石川は「(松山)英樹が勝ったときから(同組は)あるかなと思っていた。僕は回りやすい。理想が高い人とのプレーは夢がある」と歓迎し、対決を心待ちにした。

 同じ海外メジャーVを目標に掲げる松山はだれよりも特別な存在だ。「彼を見ると自然と自分も燃えてくる」と常々話す。2週前の三井住友VISA太平洋マスターズ優勝後は、さらに意識は強まった。オーストラリアでもインターネットで、松山のダンロップフェニックスのスコアをチェック。「アマではなく、ツアー1勝した選手」とさらに警戒感を強めた。

 同組だった昨年日本オープンでは2日目にスコアで敗れた。「明らかに僕よりいいゴルフ」と脱帽も、同じ悔しさを味わうわけにはいかない。前週プレジデンツ杯では「3ヤードずれたら天国と地獄」の難コースで技術を磨いてきた。「ショットはいい感じ。あとは気持ち次第」と大舞台の経験を無駄にはしない。

 賞金ランク1位■相文(韓国)とは約6400万円差の2位。逆転条件は残り2戦連勝と厳しい。「何とか可能性が残った。いい意味で開き直れるし、いい環境が整った。やるべきことをやればいい」。逆転賞金王へのわずかな可能性に懸けるためにも、まずは同学年のライバルとの直接対決に全力を注ぐ。【田口潤】※■は裏の里が非