<男子ゴルフ:カシオワールドオープン>◇最終日◇27日◇高知・Kochi黒潮CC(7280ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 賞金ランク2位の石川遼(20=パナソニック)が逆転賞金王を逃した。通算6アンダー282の11位で終え、残り2戦連勝の逆転条件には届かなかった。高山忠洋(33)が通算15アンダーで今季2勝、ツアー通算5勝目を挙げた。悲願のツアー初制覇を狙った宮里優作(31)は通算13アンダーで2打及ばずの2位に終わった。

 遅すぎる「遼チャージ」だった。3日目の69に続き、最終日3番目の68を出したが首位と9打差の11位どまり。最終戦日本シリーズJT杯を待たずして、韓国のべ・サンムンに賞金王を奪われた。「最終戦に持ち込めず、争っていたものとして悔しい」。賞金ランクも2位から3位に後退した。アマ時代を含め通算9勝も、今季は未勝利。「勝つことがいかに難しいか。今年は肌で感じた。練習の量、質が落ちただけで、すぐに周りの選手に抜かれる」とプロの壁を味わった。

 もっともトンネルの出口は見えつつある。予選で同組だったアマ松山英樹(19=東北福祉大2年)のダイナミックなスイングを参考にしたおかげで、決勝の2日間は納得のいくプレーができた。同学年のライバルからも、良い部分は学ぶという姿勢を貫く。「大きなひねりと鋭い切り返しをもらった感じ。手応えをつかんできた」。今後は来年マスターズ出場への最初のハードル、年末までの世界ランク50位以内が目標になる。「モチベーションは変わりません」と、最終戦を見据えた。