<男子ゴルフ:タイ選手権>◇2日目◇16日◇タイ・アマタスプリングCC(7453ヤード、パー72)◇賞金総額100万ドル(優勝賞金15万8500ドル)

 石川遼(20=パナソニック)は3バーディー、6ボギー、1ダブルボギーの77と崩れ、通算3オーバー147の64位と順位を落とし、ギリギリで予選落ちを逃れた。好内容の初日から急転、この日は風の影響も加わり、ショットが乱れた。同組で通算20アンダーと記録的なスコアで独走する世界ランク3位リー・ウェストウッド(38=英国)からは休養の勧めも受けた。このままでは世界ランク50位以内も微妙で、年内のマスターズ出場権獲得に黄信号がともった。

 今季を象徴する「日替わりスイング」だった。「今季一番」と形容した初日から暗転。この日は77とスコアを落とし、一時は65位以内の予選通過も危ぶまれる位置に落ち込んだ。ラウンド直後は「ミスが多かった。すごく悔しい内容になった」と視線を落とした。

 ほとんどのショットで理想のスイングができた初日とは違った。前半の16番の第1打を左林に曲げる。第2打も林から脱出できず、ダブルボギー。後半も2番の第1打を池に入れて2個目のボギーをたたくと、その後も4ボギーと崩れた。フェアウエーキープ率も初日の85・71%から50%に下がった。

 要所でインパクト直前に上体が伸び上がる悪癖が出た。同組で通算20アンダーまでスコアを伸ばしたウェストウッドは石川の「日替わりスイング」の原因を「働き過ぎ」と分析した。

 ウェストウッド

 技術は申し分ないが、(弱点は)真面目すぎること。すべてをゴルフにささげすぎではないか。今季は33試合に出場したと聞いた。ときにはゴルフに飢えるくらいの休養が必要だ。

 もっとも本人には誰よりも多い練習量が数々の最年少記録を生んだとの自負もある。「世界ランク30位以内に入っていれば、試合数、練習量を減らすことも考えますが」と、この日も日没まで、ただ1人、練習場で打ち込んだ。

 予選通過ギリギリの64位。このままでは年内の来年マスターズ出場権獲得が難しくなる。「もう下はない。残り2日で、初日の順位(16位)まで戻したい」。プロ4年目。「日替わりスイング」で優勝ゼロに終わった苦悩は、今年最後の試合まで続いている。【田口潤】