男子ゴルフの石川遼(20=パナソニック)が、マスターズ(来年4月5日開幕、米オーガスタナショナルGC)自力出場へ、「3つの基本」を全面見直しする。58位に終わったタイ選手権から一夜明けた19日、タイから帰国。同日発表の今年最終世界ランクが1つ下がって51位となり、50位以内で確定した年内マスターズ出場権獲得に失敗したが、すでに来年1月からの米ツアーで「マスターズ2週前時点での世界50位以内」の“2次選考”へ、気持ちは切り替わっていた。

 石川

 もしも今年、米国で1年間プレーをしていたら、この世界ランクにいられるかも微妙。今まで日本ツアーで出場権をとってきたけど、今回は本当に自分の実力が分かる時。1つの挑戦になる。

 日本に比べ選手層が厚く、レベルも高い米ツアーで世界ランクのポイントを稼ぐのは簡単ではないが、タイからの機内で対策の全面見直しを練っていた。

 ◆日程

 予定している来年1月12日開幕のソニーオープン後、1月中にもう1戦、米ツアー戦に出場。この間を温暖な西海岸かハワイで過ごし、ラウンド中心の実戦的な調整を行う。逆に例年の雪山スキー合宿での体力づくりは再考する。

 ◆道具

 「コースや芝によってクラブを変えることは一切なかった。来シーズンからはそういう調整もありかな」と石川。まずはウエッジのヘッド形状を地面の硬さや芝の長さにあわせて数パターンテスト。的確な道具選びで多種多様な米国のコースに対応する。

 ◆技術

 これまでスイングづくりを重視し、全英の秒速15メートル級の向かい風の中でも持ち球の高いドローを打ってきた。理想のスイングが完成に近づいたことで、今度は環境にあわせて弾道を打ち分ける。まずは海風強いソニーオープンを低弾道ショットで攻略する。

 「米ツアーでランクを上げられれば自信になる」。レベルが高い分、好成績を残した時の世界ランクの見返りも大きい。空港を後にする石川の足取りは軽やかだった。【塩畑大輔】

 ◆男子の今年最終世界ランク

 石川以外の日本ツアーの選手では昨季賞金王の金庚泰(韓国)が25位、今季賞金王の■相文(韓国)が30位でマスターズ出場権を得た。日本勢では松山英樹がアジア・アマチュア選手権優勝で出場権を得ている。谷口徹は61位、藤田寛之は68位、池田勇太は75位。1位は欧米両ツアーの賞金王ルーク・ドナルド(英国)で、タイガー・ウッズ(米国)は23位だった。※■は裏の里が非