<海外男子ゴルフ・欧州選抜対アジア選抜対抗戦:ザ・ロイヤルトロフィー>◇最終日◇16日◇ブルネイ・エンパイアホテル&CC

 石川遼(21=パナソニック)が今季最終ホールから、来季への「宿題」を持ち帰った。シングルスでヘンリク・ステンソン(36)と対戦。ポイントを取って引き分けに持ち込めば、チームが勝てる18番パー4で、第1打を右バンカーに落としてパー。その後プレーオフでのアジア選抜の勝利を喜びながらも、来年への課題を胸に刻んだ。藤本佳則(23)は、最大3点ビハインドから終盤盛り返し、1アップで逆転勝利。2日連続で大きく貢献した。

 アジアの勝利へバーディー必須の18番パー4。石川は「左のハザードに打ち込めば可能性が消える。絶対に右サイド」と念じ、3番ウッドを振り抜いた。ほぼ狙い通りの球筋。だが、わずかに右にそれ、バンカーに入ってしまった。2オンに失敗し、ステンソンとともにパーで試合終了。チームの勝利を決する「おいしい場面」を、モノにすることはできなかった。

 「後半はいいスイングができていた。でも18番で右のバンカーに落とした分、5メートルの精度がまだ足りない。来年1年かけてやっていくしかない」。ショット精度が格段に上がり「ミスの幅が狭くなった」と実感できた1年だった。それでも最後の最後まで、来季に向けた課題を探しながらプレーを続けていた。

 先週のタイ選手権で同組だったB・ワトソンから着想を得て、スイング改造して臨んだ今大会。練習ラウンドから初日まで絶好調だったが、それに飽き足らずに2日目にはさらにスイング改造を行っていた。

 石川

 この試合で1年の締めくくりという感覚はない。今日は新しいスイングでは、いいリズムで打てなかったので、後半から元のスイングに戻した。でも新しいスイングでちゃんと打てるようになれば、もっと飛距離も出るし、もっとアイアンの方向性やスピン量が向上するはず。また練習を重ねたい。

 米ツアー本格参戦のスタートは、来年1月第3週のヒューマナチャレンジ。しかし、石川の頭の中では、すでに新たな挑戦は始まっている。【塩畑大輔】