<米男子ゴルフ:ファーマーズインシュランスオープン>◇第2日◇25日◇米カリフォルニア州ラホヤ、トーリーパインズ北、南C(ともにパー72)

 石川遼(21=パナソニック)が、この日ワーストの「79」と大きく崩れ、通算3オーバー147の125位で予選落ちした。雨と寒さもあって、中盤から腰を気にする場面が増え、それに伴いショットの精度が急激にダウン。腰痛改善のための新スイングを本番でいかに続けるか、という課題が浮き彫りになった。大会通算6勝とこの会場で絶対的な強さを誇るタイガー・ウッズ(37)が、同11アンダーで首位に立った。

 11番パー3。石川は第1打の瞬間、ややバランスを崩し、いつもと違うフィニッシュをとった。ショットがグリーン右奥のラフに大きく外れたことよりも、腰のあたりを気にして、表情をゆがめる。13位に入った昨年はバーディー2つを挙げた得意のホールで起きた異変。ここからプレーの合間も右太ももをたたいたり、腰のストレッチを行ったりと、明らかに様子が変わっていった。

 ティーショットも右へ、左へと暴れだす。飛距離自体も、ガクンと落ちた。18番パー5では、第3打をグリーン手前の池にも入れた。ノーバーディー、7ボギーの「79」は、この日プレーした152選手の中でワースト。悔しさを押し殺しきれない表情で「ひどいゴルフ」とつぶやいた。

 「やりたいことができなかった」と石川。慢性的な痛みをかかえる腰への負担を減らすため、下半身のムダな動きを抑える新スイングに取り組み出した。練習ではほぼ完璧にモノにし、ドライバーなどの飛距離がアップするという副産物もあった。

 前日の第1ラウンドでは、新スイングから繰り出すドライバーを軸に、68の好スコアを出した。だが、結果を求める試合でのプレーが続くと、徐々に元のスイングが顔を出し始める。この日は、冷たい雨も降った。スイングのバランスが一線を越えて崩れた瞬間、痛みを忘れていた腰に、再び違和感が走ったものとみられる。

 予選が3日間あった先週のヒューマナチャレンジでも、練習で体に新スイングが染み付いた状態で臨んだ第1日は、アイアンが絶好調だった。「グリーンを狙ったショットの正確さ」で、全体2位にも入った。だがその後は日を追うごとにショットが乱れて、結局は予選落ちしていた。

 練習場では完璧な腰の負担が少ない新スイングを、実戦でいかに続けていくか-。2戦連続の予選落ちで、課題はより明確になった。【塩畑大輔】