<米男子ゴルフ:フェニックス・オープン>◇第2日◇1日◇米アリゾナ州スコッツデール、TPCスコッツデール(パー71)

 石川遼(21=フリー)が、プロ入り後初の3戦連続3ケタ順位という苦杯をなめた。2バーディー、4ボギーの73とスコアを落とし、通算3オーバー145の121位で予選落ちした。初の米ツアー本格参戦の序盤戦は、目標に掲げる「マスターズまでに世界ランク50位以内」はもちろん、シード権確保に向けてもほど遠い、不安が残るものとなった。

 通算1オーバーで迎えた15番パー5。予選突破へスコアを伸ばしたい石川は、残り246ヤード地点から2オンを狙ったが、グリーン左の池に落とした。前日に続く池ポチャで痛恨のボギー。後半の3番パー5でも、第1打を左のバンカーに打ち込みボギーをたたいた。

 「結果が出せず、残念です」。開幕からの3戦で、パー5の通算27ホールで2バーディー、6ボギー。本来ならバーディーが期待されるロングで稼げなければ、当然流れは悪くなる。

 米ツアー本格参戦初年度。序盤の3戦は、すべて3ケタ順位での予選落ちに終わった。「簡単に予選通過できる舞台ではない」と石川。慢性的な腰痛の解消のため、試合を戦いながら、スイング改造を行う必要もある。これまでの米ツアースポット参戦では、たびたび上位に顔を出してきたが、今回は完全に壁にぶち当たった。

 同じ国内ツアーからの米本格参戦でいえば丸山茂は00年の参戦初年度、3戦目のビュイック招待で2位。序盤6戦でトップ10に4回も入った。尾崎直も93年、参戦2戦目の“準メジャー”プレーヤーズ選手権で6位。ともに脂の乗り切った30代での挑戦。だが序盤のチャージが長年のシード権確保につながったのは確かだ。

 先週までの世界ランク86位から浮上できず、同64位までが出場できる20日開幕の世界ゴルフ選手権シリーズ、アクセンチュアマッチプレー選手権への出場は厳しくなった。同ランクのポイントが稼げる大会に出られなければ、同50位以内でマスターズに臨むという目標達成も難しい。せっかく獲得したシード権確保に向けても、暗雲が立ち込める滑り出しになった。【塩畑大輔】

 ◆石川の連続予選落ち

 プロ初年度の08年は国内ツアーで4戦連続が1回、3戦連続が1回。09年以降は安定した成績を残し、3連続の予選落ちは12年に米のウインダム選手権と、国内のVanaH杯KBCオーガスタ、フジサンケイクラシックと、ツアーをまたいだ3戦で記録したのみ。3戦連続で100位以上の順位だったのは、今回が初めてとなる。