一ノ瀬優希(26=フリー)が最終日を前に3打差2位に浮上した。7位スタートのこの日、70で通算3アンダー。今大会には日本女子初の“不名誉記録”となる海外勢開幕3連勝の可能性がある。昨季2勝がいずれもアマチュアの優勝阻止となった“日本女子プロの救世主”が、今度は打倒海外勢に挑む。O・サタヤ(31)が通算6アンダーで首位。2位には笠りつ子(27)と飯島茜(31)もいる。

 最終18番で下り3メートルのパーパットを沈めた。一ノ瀬は「ラインが分からなくて、真っすぐに打った」と苦笑いする。後半インは全部パー。前半アウトの3バーディー、1ボギーの貯金を守った。最終日を前に首位と3打差。開幕3戦目で復活V圏内につけた。

 昨年5月下旬に左鎖骨痛が悪化、左胸郭出口症候群の診断を受け、7月以降はシーズン終了まで完全リタイアした。日によって痛みが出る。一方、2週前の開幕戦でショットがバラついたため、スマホでスイングを録画。右体重のアドレスでスエーしがちな点に気づいた。「ここを変えないと優勝できない」と決断。アドレスの体重配分を左右均等にするよう改造中だ。

 手探りの中の優勝争いだが、一ノ瀬には救世主的な勝負強さがある。昨年3月のプロギアレディースは、当時アマチュアの森田遥に1打差で優勝。同年5月サイバーエージェントレディースはアマチュア3人が10位内に食い込む中で優勝。つまり“アマチュアV”を2度阻止した。今度は“海外勢V阻止”だ。今週海外勢が優勝すれば開幕から海外勢3連勝。日本女子プロ界初の“事件”となる。「阻止したい気持ちはあります。自分のやることをしっかりやって、チャンスが来たら…逃しません」。一ノ瀬が目を輝かせた。【加藤裕一】

 ◆開幕からの海外勢2連勝 今季(開幕戦ダイキンオーキッド=テレサ・ルー、第2戦プロギアレディース=李知姫)を含め、88年ツアー制導入後に4度、ツアー制前を含めると5度ある。3連勝はない。