笠りつ子(27=京セラドキュメントソリューションズ)が念願の復活優勝を果たした。

 18番パー5を使ったイ・ボミ(26=韓国)とのプレーオフは2ホール連続でバーディーを奪い合い、3ホール目へ。イ・ボミがピン右3メートルのチャンスを外した後、左3メートルのフックラインをねじ込んだ。

 プロ10年目で初のプレーオフだった。「したくないな、と思っていたんですが、やってみると楽しかった。ロングホールだったし、ピンに近づくにつれて気持ちを高めていきました」

 12年4月ヤマハレディースで2勝目を挙げてからが長かった。キャディーを務める父清也さん(54)は「ショットはずっと良かった。基本的に真っすぐしかいきませんからね」という。問題は苦手のアプローチ。今大会開幕直前、宮崎合宿中の男子プロ、片山晋呉がコースに現れた時、簡単なレッスンを受けた。

 「本当に単純で基本的なこと」と笠はいう。チェックポイントは「ボールに近づく」「ボールを右よりに置く」「ラフからはフェースを開く」の3点。片山の教えを守り、第1日の前半アウトで2度、困難なライから見事なパーセーブを決め、優勝への流れを作った。

 姉貴分と慕う同郷熊本の先輩、古閑美保からも昨年「ヘタクソなんだから悩む必要ないよ」とハッパをかけられ、2月のタイ合宿に5日間来てもらい、一緒に練習して気持ちを入れ替えた。

 「今年の目標は1億円を稼ぐこと。あと、長い目標としては、自分の名前を(歴史に)刻みたい」

 国内メジャー優勝や、賞金女王などビッグタイトル獲得へ。長いトンネルを抜け、新たな夢が広がってきた。