プロ8年目の西山ゆかり(32=フリー)が、3アンダー69で2打差3位と好発進した。先週にプロ合格同期の菊地絵理香(26)が、待望のツアー初優勝を果たしたのに発奮。6番でダブルボギーをたたきながらも、インで取り返す粘りのゴルフだった。アマの新垣比菜(沖縄・興南高2年)は76の72位だった。

 西山が思い出の地で好発進した。3アンダーで迎えた6番では、1メートルからの3パットを含む4パットのダブルボギー。「でも心は折れませんでした。悔しかったけど、またバーディーを取ろうと」。10番と18番できっちり取り返す。11年大会も第1日69の2位で、最終成績は自己最高位の5位だった。「(当時より)成長していると思います」と笑顔で言い切った。

 先週のKKT杯バンテリン・レディースでは、第1日に特別賞のイーグル賞を獲得も予選落ち。表彰式に出るために最終日まで残る悔しさを味わった。一方、同じ08年プロ合格で、それまで何度も惜敗を重ねてきた菊地が、壁を破って優勝。西山も菊地が苦しんだ時期を知るだけに、同じ表彰式の席に並んで、「刺激になりました。いいエネルギーをもらいました」と迎えた今大会だった。

 神奈川・藤沢西高卒業後にゴルフを始め、26歳でプロ、32歳の今季初めてシード選手になった“遅咲きの花”だ。「初優勝もしたいけど、コツコツやっていた去年の気持ちも忘れずに」と謙虚さは変わらない。静岡・朝霧CCで研修生時代を過ごしており、同じ静岡県内の本コースには「思い入れがあります」。同県内でお世話になった人たちへの恩返しのためにも、今週の最終日こそ心の底からの笑顔で迎えたい。【岡田美奈】