片山晋呉(42=イーグルポイントGC)が、5バーディー、1ボギーの66を出し、通算7アンダー203で首位に立った。プロ20年を迎えたベテランが今大会3度目の優勝を果たせば、ツアー通算29勝となり目標の30勝へ王手をかける。片山と同じ首位には、12年大会の覇者I・J・ジャン(42)も並んでいる。

 片山はスタート前の練習であまりにも腰が痛いため「やめようか、と思った」と言う。キャディーをするプロコーチの江連忠氏が「カップインした球は俺が取るから」ということで、強行スタートした。ダウンスイングから切り返す時に痛みは走るが、コースに出れば体は動いた。

 1、2番で連続バーディーがきた。「これほどの“痛み止め”はないね」。バーディーという良薬が片山を躍動させた。アウトを31で折り返し、風が出て難しいインもパープレー35にまとめ66。スコアを4つ伸ばして、通算7アンダーで7位から首位に立ち、この大会では4度目の最終日最終組だ。

 「すごい痛みでしたが、プレーできてこの位置にいるのが幸せ」。大会3度目の優勝、通算29勝目を目指す。95年にプロ転向して、今年が20周年の節目。「30勝は今年中にしたい。29がないと30は来ない」と今回のチャンスにかける。生涯獲得賞金もあと約7000万で20億円の大台に乗る。カップインしたボールも拾えない腰痛を抱えるが、ホールアウト後は黙々とアプローチ練習を行った。そんな姿に片山の覚悟を見た。【町野直人】