通算13アンダーの2位から出た片岡大育(26=Kochi黒潮GC)が、4番から4連続を含む5バーディー、1ボギーの67とスコアを4つ伸ばして同17アンダーとして、プロ転向9年目で悲願のツアー初優勝を果たした。

 片岡はウイニングボールを沈めた後、派手なガッツポーズも見せずにサンバイバーを取って「ありがとうございます」と深々のギャラリーに頭を下げた。苦節9年の思いをかみしめるかのようだった。

 実は、この大会は関西ゴルフ連盟(KGU)の主催で、自主運営でもあるため、他のトーナメントのように、順位を知らすボードがコース途中に立っておらず、実際は18番にきたとき、片岡は2位に3打差をつけていたが「1打差くらいで、ずっとドキドキしていた」という。そんな緊張感の中でも、左右が危険な最終18番で今季からドローに変えた見事なドライバーショットでしっかりと左サイドをとらえ、第2打もグリーンに乗せ、危なげないパーで優勝を決めた。

 「うれしいの言葉しか見つからない」。涙こそないが、色白の顔を紅潮させて喜びに浸った。「今年の目標はまず1勝することでした。でも、早くにできたので次の1勝を目指したい」という。喜びの美酒に浸るのもこの夜だけ。25日は岡山で36ホールの全米オープン予選に出場し、その週はミズノ・オープンが待っており、戦いは続く。