“ロリー・タニロイ”が好発進だ。谷口徹(47=フリー)が7バーディー、1ボギーの66で回り、首位と3打差の3位タイにつけた。今季は「肉体改造」をテーマに掲げ、世界ランク1位のロリー・マキロイ(英国)を目標に、過去2度の賞金王に輝いたベテランが体をいじめている。節目のツアー通算20勝へ、手応え十分のスタートを切った。

 谷口が圧巻の4連続バーディーで締めた。最終9番では4メートルを沈め、力強く拳を握った。同組に首位のヘンドリーがいたとあって「あんまりナイスプレーの気がしないね」と苦笑したが、好スコア以上にうれしいことがあった。「ドライバーで(同組の)李尚熹に2回くらい勝ったんでね。気分がいい」と胸を張った。

 今年から都内のジムに通い始めた。「体だけマキロイに近づける。まだ10分の1くらいだけど、体が大きくなければ、ボールも飛ばない」。弟子の松村に「あっ、タニロイさんじゃないですか」といじられたエピソードを披露した時も表情は穏やか。年下プロを飛距離で上回ってトレーニングの成果を実感することが、活力源となっている。

 今大会の上位4人までが7月の全英オープンに出場できる。今年はゴルフの聖地・セントアンドルーズ開催だけに「これが最後かもしれんから」と冗談交じりに意気込む。さらに「ペブルビーチに行きたいんですよ」と続けた。米屈指のコースで開催される19年の全米オープンだ。「51歳か…。トレーニングのピークを合わせて、万全の状態で臨まないと」。まずはツアー通算20勝目を、野望の足掛かりとする。【亀山泰宏】