昨季賞金王の小田孔明(37=プレナス)が、首位に2打差の2位に浮上した。3打差8位から出て7バーディー、2ボギーの67で通算9アンダーの135。今季は未勝利も、2週後の全英オープンを前に調子を上げてきている。昨年大会は石川遼(23)にプレーオフ負けしており、メジャーへ弾みをつけると同時に、リベンジとなる勝利を狙う。

 小田孔が公約通りに優勝争いに顔を出した。開幕前から今大会について「全英オープンを意識しながらプレーして、優勝したい」と話していた。「1日4アンダーずつ4日間」の青写真通りに68、67と並べた。「何よりパットがいいですね」。1番では15メートルを沈め、3番と5番では3メートルを決めた。

 ここにきての好調は「やはり気持ちの問題」と話した。今季序盤は「賞金王になっちゃったから、変なゴルフはできないと…」無意識に守りのゴルフになった。それを「いつも攻めてる姿勢の方がいい」と周囲に指摘され、本来のイケイケゴルフを思い出し、「闘争本能が最近入ってきた」。14番では残り110ヤードをサンドウエッジで「ラフから根こそぎ持っていった」とピン横1・5メートルに止めるパワーと技術を披露した。

 全英対策となる風の中でのドライバーショットも「飛んでいるわけじゃないけど、自分のイメージ通りの球が打てている」と納得顔だ。「ちゃんと優勝したいし、優勝争いしなきゃいけない」。この2日間同組だった池田勇太も好スコアで「勇太と回っていて、自然に優勝争いの雰囲気になったのが良かった」と言い集中力をつないでいる。

 北海道の大会のたびに、13年ANAオープン優勝の時に行った札幌市内のすし店で食事をして験担ぎをする。その店での好物は子持ち昆布で、今回もコース入りした当日にちゃんと行って、英気を養った。昨年大会は石川にプレーオフ負け。石川の2季ぶりの優勝を期待するファンも多く“アウェー”のムードもあった。今回は賞金王として、堂々と主役で優勝争いだ。【岡田美奈】

<小田の三個の例>

 (1)いつものイケイケゴルフ

 (2)いつものイメージドライバー

 (3)いつものすし店で食事

 ◆三顧の礼 小田の名前の由来になった諸葛孔明にちなんだ故事。目上の人が相手を手厚く迎えてお願いすることで、劉備が孔明を迎える際に三度訪ねたのが由来。