石川遼(23=CASIO)が首位と2打差の4位と好発進した。ショットとパットがかみ合い、7バーディー、1ボギーの6アンダー64。昨年優勝した長嶋茂雄招待セガサミー杯を欠場しての出場だけに、結果を出したいところだ。

 苦しいシーズンを送る石川は、好発進に「こんな日もあるのかと思った」と正直な心境を口にした。

 10番スタートで、11番の第1打を右隣のホールに入れるなど不安な立ち上がりも、第2打でカラーまで運びパーセーブ。14番で最初のバーディーを奪い、18番でも2メートルを沈めてリズムをつかんだ。後半5番からはショットが1メートル、3メートル、2メートルとピンに絡んで3連続バーディー。「最近にはないぐらいバーディーパットの距離が近かったのが楽だった」。最終9番も1メートルを入れて、小さなガッツポーズで締めくくった。

 「満足度は高い。手応えはすごく感じた。ほとんどのショットでアドレスが決まってきている」と振り返る。本来は昨年覇者としてセガサミー杯に出たいところだったが、全英オープン出場権も来季シード権も確保してないため、苦渋の決断。米ツアーに残って戦うことを選んだだけに、好結果が恩返しになる。

 12位以内なら全英出場の可能性が出てくる。「セントアンドルーズだけは行きたい。憧れの舞台」と思いは強い。一方で、出場へ近づいた実感は「まだほとんどゼロ」と楽観はしていない。6月に出た3大会は全て予選落ち。5月クラウンプラザ招待はやはり64で首位発進しながら、第2日に74と崩れるなど43位に終わった。「あの時よりはコントロールされている感じ」というショットを頼りに、気を引き締めて残り54ホールに挑む。