アン・ソンジュ(27=韓国)が2バーディー、ノーボギーの70で回り、通算15アンダー、201で今季初勝利を挙げた。昨年10月の富士通レディース以来となるツアー通算19勝目を、第1日から首位を守る完全優勝で決めた。

 14番でペ・ヒキョン(韓国)に1度は並ばれたが、16番のバーディーで突き放して勝利を決めた。

 ウイニングパットを沈めると、小さく拳を握り、涙を流した。昨年末に男子プロのキム・ソンホさん(29)と結婚。「最後は手が震えました。結婚してから早く優勝したかった。ケンカしたり、ケガしたり、いろんな記憶がよみがえりました」。昨季賞金女王が今季はケガにも苦しんで未勝利だった。5月にはサロンパス杯をスタート直前に欠場。韓国に帰国し、頸椎(けいつい)ヘルニアの治療を受けたこともあった。

 「『結婚したから勝てなくなったんじゃないの』と言われることもあって、私以上に旦那さんがつらかったと思う」と振り返る。そのキムさんがキャディーバッグを担いで2試合目で勝った。「旦那さんにキャディーをしてもらっての優勝だから、ホントに意味ある優勝ですね」と喜ぶ。7月初旬、2週間のオープンウイークを利用して男子ツアーのセガサミー杯を観戦した際、キムさんから「キャディーをして助けたい」と申し出があったという。「その気持ちがありがたかったから」と2週間限定でのキャディー就任が決まった経緯があった。

 気になるのはキャディーフィー。「それが難しいんですよね。彼は優勝賞金全部持ってきて(一括管理したい)と言うけど、口座の暗証番号は私しか知らないから」と笑う。以前は20勝を機に引退する意向を口にしたこともあったが、この日は「30歳まで頑張って終わりにしようと思ってます。その時になってみないと分からないけど」と言った。まずは、久々の勝利の余韻に浸るつもりだ。