首位タイから出た原江里菜(27=NEC)が単独トップに立った。5バーディー、2ボギーの69で回り通算8アンダー、136でスコアを3つ伸ばした。熱心なファンの存在も支えにして08年NEC軽井沢以来の2勝目を目指す。

 最終18番パー5で原が真骨頂を見せた。グリーン奥からのバンカーショットは、あと少しでチップインイーグルのナイスアプローチ。前半の3連続を含む4バーディーから一転、後半はそれまで2ボギーと苦しんでいた。本人も「唯一の救いです」と振り返るバーディーフィニッシュにつなげる、大きな1打だった。

 ファンの存在も後押しする。9年ほど前から原を応援するギャラリーがプレー内容を細かく記録し、インターネット上にアップし始めた。今では全国で15人から20人規模となり、すべての試合を交代で網羅している。今大会も東京から駆け付けた山川巧さん(66)ら3人態勢で原の一挙手一投足をチェック。その熱心さは前日7月31日にフジテレビ系の番組「ジャンクスポーツ」で紹介され、毎試合は同行できないコーチがサイトを参考に助言を送ってくることもあるという。

 2週間ほど前に携帯ゲームで将棋を始めた。夏場はあえて練習量を減らしていることもあり「先週は毎日2時間くらい」と笑う。この日の朝には「初めて勝ちました。ハンディつきですけど」。そして、7年ぶりの優勝に“王手”をかけた。「これまでは失敗から学んで『次、頑張ろう』とやってきた。そろそろ成功体験から自分を伸ばしていきたいですね」。満を持して2勝目に挑む。【亀山泰宏】