石川遼(23=CASIO)が米ツアーシード保持を視界に入れた。3打差8位からツアー初Vを狙い、パープレーの71で通算11アンダー273の10位に終わった。だが、シードが確保できる「賞金ランク125位以内」と「フェデックスポイントランク125位以内」で、前者は圏内の109位に突入、後者も当落線上の125位に浮上した。レギュラーシーズン残り2戦でシード確定に挑む。トロイ・メリット(米国)が通算18アンダーでツアー初優勝を飾った。

 勝てなかった悔しさはあるが、むしろ、踏ん張れた充実感が強い。石川は「最後のパットは大事だった。外していたら、もったいないことになっていた」という。最終18番で1・5メートルのパーパットを決めた。今大会を含め、レギュラーシーズンの残り3試合はシード保持のための正念場だ。その1打が、来季の“職場”を左右するのだから。

 最終日は2バーディー、2ボギーで、2日連続のパープレー。「すごい緊張感だった」。ショットは、狙いの倍近くピンから離れて止まる。パットは決まらない。自身初の米ツアー単独首位ターンを決めた予選ラウンドと別人のような決勝ラウンドを「スコアを伸ばせなかったけど、逆に落とさなかったのは良かったと思います」と振り返った。

 メドが立った。10位タイの賞金18万900ドルで賞金ランクは130位から109位に浮上、シード圏内=125位以内に入った。今季獲得賞金80万3341ドルは、昨季レギュラーシーズン終了時点の118位(80万1355ドル)に相当するため、仮に今後2戦とも予選落ちしたとしても、125位内にとどまる可能性が出てきた。

 シード決めのもう1つの物差し「フェデックスポイントランク125位以内」でも75ポイントを獲得、140位から、ボーダーの125位に浮上。シード決めの手段としてはこちらが主流。圏内に入れば、高額賞金大会4試合によるプレーオフシリーズに出場できる。

 泣いても笑っても残り2試合だ。8週連続出場となる次戦へ「思い通りにいかない中で、この順位で終われた。来週も上位を狙えるんじゃないか、と思う」。初優勝を逃した10位に、前向きだった。