マンデートーナメントを突破した近藤龍一(29=フリー)が4バーディー、1ボギーの68で回り、首位と4打差の2位につけた。今季下部ツアーを含めても獲得賞金わずか10万625円という男が、ツアー通算7勝の水巻善典仕込みのフェードボールで好発進を決めた。

 自分でも予想外だ。近藤龍は「マンデーが2位でいい流れでできたけど、ここまでやれる手応えなんてなかった」と笑った。最も難易度が高かった500ヤード超の5番パー4でバーディーを奪い、ボギーは3パットした8番のみ。難コースに対応してみせた。

 同志社大時代から指導を受ける水巻の「金を稼ぐならフェードじゃなきゃダメだ」という言葉で挑戦中のフェードボールが効いている。飛距離が落ちることに抵抗は大きかったが、結果が伴わず、やむなく試した。「ここ1カ月くらい、スコアがまとまってきた。言うことは聞かなきゃ、と」。今は感謝が尽きない。

 ホールアウト後に大学の大先輩、谷口に“お祝い”の水をかけられた。先輩にいじられるくらいの好スタートにも浮かれない。「上位、狙いたいですね。無理してドローを打とうとせずに頑張ります」。新たな武器に可能性を感じている。【亀山泰宏】

 ◆近藤龍一(こんどう・りゅういち)1986年(昭61)7月29日、愛知県生まれ。15歳の時、父利清さんが監督を務める愛知・栄徳高でゴルフを始める。08年にプロ転向。自己ベストは13年中日クラウンズの14位。チャレンジツアーでは13年富士カントリー可児クラブチャレンジカップで初優勝。得意クラブはドライバー。179センチ、73キロ。