石川遼(24=CASIO)は通算8アンダー280の6位で国内ツアー3連戦を締めた。1打差3位から、5バーディー、4ボギーの71。15日の米ツアー新シーズン開幕を前にドライバーでの攻めを貫くなど新たな挑戦を重ねた。金亨成(キム・ヒョンソン、35=韓国)が同じ通算12アンダーの片山晋呉(42)をプレーオフで破り、今季初優勝、ツアー通算4勝目。

 勝てはしなかったものの、石川は心地よい疲労感を味わっているようだった。「中身の濃い1カ月間でした」と笑みを浮かべた。米ツアー終了後、「実戦でしかできないことがある」と、休養や打ち込みより試合に出続けることを選択した。3試合とも優勝争いの緊張感の中でプレーし、「いい経験ができた」と総括した。

 最大の収穫は「何のためにゴルフをしているのか、見失っていた。それに気づけた」という。答えは「うまくなりたい。勝ちたい」だった。そのために2週前からドライバーで攻めるゴルフに徹底し、前週からは新クラブも導入。今回はパターの握りをクロスハンド(逆手)にするなど、挑戦を繰り返してきた。

 この日も1番では奥に切られたピンを攻めてバーディー発進。6番では左の斜面に打ち込むトラブルから1パットパーでしのぐ場面もあった。「精神的にはかなり消耗しました」と振り返り、頭と心のスタミナという「トレーニングでは身につかない体力」を鍛えられた感触を持つ。

 ただ、優勝争いの中ではやはりスコアを意識してしまう。「反省点ですね。まだまだです」と照れ笑い。目標の米ツアー優勝に向け「守りや逃げがないようにやっていきたい」と、決意を語った。【岡田美奈】