【仁川(韓国)6日=亀山泰宏】男子ゴルフの松山英樹(23=LEXUS)が、2大会連続2度目のプレジデンツ・カップ(8日開幕、~11日)で世界選抜を勝利に導く。2年の間に世界ランクはチーム内で4番手、米ツアー公式サイトが選ぶ「パワーランク」では全体で3番手と序列が上昇。過去10大会でわずか1勝、5連敗中と苦しむ世界選抜にあって「全勝できれば一番」と自覚をにじませた。

 松山は立場の変化を肌で感じている。「みんなが(自分を)知ってくれているので、すごくやりやすい。やっぱり、しっかりとプレーしなきゃいけないという感じはすごく強い」。世界ランクチーム6番手だった前回大会後には米ツアーで優勝も果たし、同ランクは4番目になった。スピース(米国)、デー(豪州)という現在の世界2トップに続く3位につけた「パワーランク」ではチーム最年少ながら「世界選抜にとって重要な選手」と評された。

 第1回から世界選抜に名を連ねてきたエルス(南アフリカ)が不在。中核を担う存在として究極の目標を口にした。「アーニー(エルス)もいないし、違和感はあるけど、勝てるチームだと思う。(個人的には)それは、1回も負けずに全勝することができれば一番。そう、うまくいかないと思うけど、1つでも勝ちに貢献できるようなプレーをしたい」。アジア初開催という追い風もある。相手ファンの容赦ないブーイングが醍醐味(だいごみ)でもある大会。米国で行われた前回は「完全アウェーでアメリカ以外の応援はほとんどなかった。そういう意味では、こっちの方がすごくやりやすい」とうなずく。

 この日は前回大会でもコンビを組んだスコット(オーストラリア)らと練習ラウンドを行った。「まずは(最終日の)個人戦のところまで、いい勝負ができるように。そうなれば盛り上がるので」。会見では、優勝できなかったシーズンへの悔しさをあらためて口にする場面があった。松山は勝つことに飢えている。

 ◆プレジデンツ・カップ 米国と世界選抜(欧州以外)による対抗戦。米国と欧州の対抗戦「ライダーカップ」にならい94年に始まる。隔年開催で、通算成績は米国の8勝1敗1分け。第3日までは2人1組でのプレー。第1日と第3日の午前は2人のうちスコアが良い方を採用する「フォアボール」方式。第2日と第3日の午後は2人が打った第1打のうち1つを選び、第2打以降はそのボールを交互に打つ「フォアサム」方式を取る。最終日は1対1のマッチプレー。前回大会までは4日間で34試合を行っていたが、今大会から30試合となった。