今季2勝目を狙った石川遼(24=CASIO)は、通算14アンダー274で1打差2位に終わった。首位から出て9番終了で2位に3打差つけたが、12番でのOBによるダブルボギーなどで失速。黄重坤(23=韓国)に競り負けた。ショットへの自信のなさを反省しつつも、次週の最終戦日本シリーズJT杯での雪辱を誓った。

 黄と並んで迎えた18番パー5の第2打、先にピン右3メートルのイーグルチャンスにつけた黄に対し、石川はカップまで15メートル以上残した。残り250ヤードから3番アイアンで打ち、球が落ちてから7、8ヤードは転がってピン手前6、7メートルにつくと計算していた。「あのチョイスでは精いっぱい。完璧なショットだった」と力を出し切った自負はあった。

 ただ現実はバーディーどまり。黄にイーグルを決められ、勝利を譲った。「5番ウッドでカットに打ってピンを狙う方が良かったかもしれないけど、自信がなく、イメージがわかなかった」。自分のショットのバリエーションへの不満を口にし、反省した。

 左OBとなった12番のドライバーショットも、9番と10番の第1打で不安を抱え、パー3の11番を挟んで「修正できずに、何が悪いか分からないまま打ってしまった」。自分のショットを「線が細い」、この日の黄を「太い」と安定感の違いを表現した。

 それでも17番ではバーディーを奪い、キャディーを務めた弟航(わたる)くん(15)とハイタッチし「一生の思い出になる」と笑った。フェアウエーの好位置をとらえた18番の第1打についても「今までプレッシャーの中で、ドライバーが真っすぐいったことがほとんどないので」と手応えをつかんだ。次週に向け「こうなったら優勝したい」と早くも悔しさをバネにする。「優勝争いできるゴルフはしている。勝ちきる太さを兼ね備えたい」。石川に新しいテーマができた。【岡田美奈】