第1ラウンドの残りと第2ラウンドが行われ、首位から出た松山英樹(23=LEXUS)がV圏内に踏みとどまった。4バーディー、3ボギーの70で回り、通算7アンダー、135で首位と3打差の4位につけた。第2ラウンドも日没サスペンデッドを挟み、ジェームズ・ハーン(米国)が同10アンダーで単独トップ。石川遼は77とスコアを崩して同4オーバーの104位に沈み、4度目となるこの大会で初の予選通過はならなかった。

 松山が小技で耐えた。「よくこの順位で踏みとどまっているなという感じ。ショートゲームがすごく助けてくれた」。3番パー5は左ラフからの第3打を30センチに寄せてバーディーを奪取。風が強まり、厳しい条件となった後半も10番から3連続の1パットパーでしのぐなど、第1日の27パットに続いて合計26パットに収めた。アプローチとパッティングで生き残った。

 ホールアウト時は首位。久々に会見場にも呼ばれた。しかし、冷静に現状を分析している。腰にわずかな不安を抱え、ショットは依然として本調子から遠い。「やっぱり優勝争いのプレッシャーが掛かってきた時、なかなか、こんなしのぐゴルフでは勝てないと思うし、うん、まあ、あまり高望みせずにやっていけたらなと思う」。結果論で語らず、足元を見詰める。

 万全ではなくても、リベンジの好機が巡ってきた形だ。「去年負けたことが悔しかったし、それから勝てるように準備はしてるつもりですけど、なかなかチャンスがない。去年の悔しさを晴らせるように頑張りたい」。昨年大会の最終18番、入れればプレーオフの5・5メートルを外した。スライスライン。「最初からずれてました。まだ、パットに自信がちょっとなかった。だからやっぱり、最後の最後で入ってくれない」。打った瞬間、負けを悟った。

 パッティングの手応えなら、今年が上回る。この1年間では、昨年11月のCIMBクラシックに次ぐ好位置で迎える決勝ラウンド。今の自分で勝ちにいく。

 ◆松山の決勝ラウンド進出時の首位との差 この1年で松山が1ケタ順位で決勝ラウンドに進むのは3度目。首位と3打差4位は、マレーシアで行われた昨年11月のCIMBクラシック(2打差3位)に次ぐ好位置となる。昨年のフェニックス・オープンは第3日に米ツアー自己ベストとなる63をマークして3打差2位に急浮上し、優勝争いに加わった。米ツアー初勝利を挙げた14年メモリアル・トーナメントは5打差4位で予選を通過している。